コメディ・ライト小説(新)

Re: ☆星の子☆     コメントください。 ( No.93 )
日時: 2011/12/10 16:14
名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: 4V2YWQBF)

5章     35話「不審な男」


 さっさと道行く私は1分おきに後ろをちらちら確かめる。光聖君がこっそりあとを追っていないか見るためだ。しかし5分くらいたってやっと私は後ろを見るのをやめた。確実に光聖君はついて来ていないと確信したのだ。
 私は重いため息をついて肩を落とした。喧嘩なんてしない方が良かったと今、悟ったのだ。なっちゃんにどんな顔して会おうかな……。そう考えるととても気分上々とは言えなかった。
 光聖君、道に迷ったらどうしよう……。
 私の心には不安の渦が蜷局(とぐろ)を巻く。なんて言ったってまだ7歳なんだし……。そう思ったところで私は気付く。光聖君は300歳だったことを。
 
 と、その時。
 重い足取りの私の背後にゆっくり近づく者が一人いた。無論、光聖君ではない。見る人が魅了するコハク色の髪の毛はなく、あるのはボッサボサの黒髪。
 その男は誰もいないことを確認し、タイミングを計って私に飛びかかった!
 私が後ろの不審者に気が付いたときにはもう遅かった。
 私はハンカチのようなもので口・鼻のあたりを覆われる。

――――――うっ……く、苦しいっ――――――

 何が起こったかもわからず私は呼吸困難になってきた。目の前が歪みくらくらする。 
 遂には周りが霞んで見えてきた。叫ぶこともできない。
 だめっ…もう限界……。

 私はその場に崩れ落ちた。