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コメディ・ライト小説(新)
- Re: high club ( No.4 )
- 日時: 2019/11/17 20:02
- 名前: 実飴 (ID: D.48ZWS.)
3話
放課後…
「よっ。奈緒!」
人混みに埋もれた私達。
明るい声と共に駆け寄るのは、ミレ。小学校時代と比べるとストレートに髪が伸びている。中学校以来だっけ。帰りもよく2人で歩いてた。疲れと眠気を振り払いながら、駅へ足を進める。アスファルトで覆われた地面は、デコボコしていて、足裏が好き好き傷んでしまう。
…やっぱり相談しよう。ずっと口を噤んでたけど、今日こそは。
「ねぇミレ。あのさ、もし誰かを見ただけで顔が火照るのってさ。何でだと思う?」
「…火照る?そっかぁ〜やっぱり奈緒もお年頃?」
おのれミレの奴…。思わず言いたくなる。でも。その直向きな姿は否定できなかった。
「うーんでも別に奈緒は奈緒らしくいればいいんじゃないの?」
「私…らしく…。」
『私らしく』って素晴らしく思えた。
放課後の明るく、そして優しい笑顔は、向日葵の花がパッと咲いた様にも見えた。
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ギィ
「ただいま。」
家の合鍵を持ちながら、明かりが付いていない我が家に呼びかける。高くてつまぞきそうな階段を登って左。私の部屋に入った。
「ただいま夏矢。今日も学校行って来た。」
そんなことを言っても、誰も答えてはくれない。私は写真に写っている弟の夏矢に声を掛けた。あれは中学1年の時。事故で死んじゃったもんね…。
私は写真に背を向けて、そのままベットに突っ込んだ。
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