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コメディ・ライト小説(新)
- Re: 鍵のない青 ( No.3 )
- 日時: 2019/12/14 19:02
- 名前: 柚 (ID: D.48ZWS.)
1年生の教室の前、オープン広場には、たくさんの新入生でごちゃ混ぜにくるくるされていた。「南中から来た」だの「よろしくね」だの、聴けば聴くほど奥が深まる気がした。私もしてやる!と思ったけれど、何かが足りない。制服を翻すと、私はある答えに出向いた。
「奈々が。」
ー…やっぱりあそこか。
新入生のミキサーに飲み込まれる前に、新品の廊下を突っ走った。
「やっぱり。」
保健室の手前には、『休んでいる人がいます。静かにしましょう。』なんて小洒落た看板がゆらゆら踊っている。苛立つ血眼を押し沈めながらも、木製のドアをガラリと開けた。
「あの、奈々…落合さんはいますでしょうか!」
「奥のほうにいますよ?」
「あっありがとうございまーす。」
養護の先生が撫でられた様にゆっくり微笑む。まだ若い先生の様だが。そんなことはどうでも良く、私は勢いよく若緑色のカーテンを翻した。
「奈々…。」
「んっあっおはよ〜。」
白が基調のベットには、無様な感じで寝転がっていた奈々。…この光景は何回見ただろうか。目を閉じながら、私は呆れと苛立ちが混ざったため息を吐いた。
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