コメディ・ライト小説(新)

Re: 鍵のない青 ( No.5 )
日時: 2019/12/19 14:57
名前: 柚 (ID: D.48ZWS.)

「ふああああああ!!」

 ドーン、ボフンッ!と音と共に、ベッドに吸い込まれていく。
その傍らには、桜並木が生き生きしいカレンダーがペラリと不安定に。

ー…4月8日…。っと。

赤ペンで大きく丸をくるりっと…。よしっ。
明日から新しい仲間に先生。だからだろうか。無駄にテンションが高い気がする。そのまま水色が滲んだスマホを取り出すと、待ち受け画面にポンとメッセージが届いた。

『明日から新学期だよー^_^ 梓』

「梓かぁ。と言うかなんでメッセージで…。」

活発に動く神経と、枕を抱き上げて思っきしゴロゴロしだす。
こんなの見られたら、もう学校行けないほど。もう顔を起こす暇もなく、天井のランプを輝かしい目でパチパチ動かす。

…あー!!我慢できないって!晴々しい想像が頭によぎる!
アホみたいに妄想ワールドで旅しながら、いつの間にか、思考は閉ざされて行き…


        ジリリリリリリリリリリリ!

「んっ…朝…。」

寝癖がたっぷりお見舞いされた顔。ピンピン静電気で高ぶっている。
ヨレヨレでベットから体を弾き出して、白いシャツを優しく羽織り赤い濃度掛かったネクタイを締める。そして最後にジャケット。JKらしさが滲み出ていてワクワクする。

「茜〜、そろそろ行こーよー!」

「えっと、分かった分かった!今行くからって!」

一気に階段を駆け下りると、ニコニコ笑顔の梓。 
いつもよりテンションが上がってる気がする。



…1年B組。
表情から感情がするする落ちていく。もう現実から突き放されたくらい。
この空虚感…周りにはインスタ女子、オラオラヤンキー、そして隠キャ…。
今までの楽しみがぐにゃあと覆された気持ちになる。
キャピキャピと不安な気持ちを煽る様に、人様の気持ちがぶっ刺さる。もういやー!!と叫びたくなるくらい不安だった。

「…と言うか、奈々。なんで寝てるのよ…。」

「んっ…あー、眠くてさぁ。」

ウツラウツラしている奈々がぼやく様に目を向ける。うっすらと苛立ちが起こる…。

小刻みに揺れる私を誰も気にせず、悠長に話している。
…こんなところ、大丈夫なのだろうか…。