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コメディ・ライト小説(新)
- Re: 鍵のない青キャラ絵更新 ( No.14 )
- 日時: 2019/12/24 15:54
- 名前: 柚 (ID: D.48ZWS.)
放課後、物陰に隠れて理科室の前を見張る。
ここにいるのは、私と月影さん。
両方の背中には、『待つ』感情が溢れている。
また春の影は、初々しいほどの盛り。
その時間は、あまり言葉を交わさずに待ち、疲れがどんどん襲ってくる…。
ートロイの木馬作戦…
こんな神話を知っているだろうか…。
昔、『ギリシア国』と『トロイ国』があった。
難攻不落のトロイ国の城壁を越える為、ギリシア国はある方法を試した。
…そう、巨大な木馬である。
城壁の前に、兵士たちを入れた巨大の木馬を置き、油断させる。
そしてそこから奇襲する。
…それは後に、『トロイの木馬作戦』と呼ばれる事になる。
「本当に来るかねぇ〜。あー暇だ〜。」
「これほど待つと、薔薇が萎れる勢いですからね…。」
うわー!!
嫌だー!!!!
そんな感じに叫びたい気持ち、みんなには分かるかね…。
その日は、何も成果が起こらず。
もう下校時刻が過ぎている校舎から出た私と梓と奈々。
中学時代から通っているクレープ屋にみんなで行こうという話に。
「はぁーい、ありがとうございまーす。」
カラン、と小洒落たドアが歌った。
ふぅ…とため息を上げると、2人の顔を見ながら力一杯クレープを頬張る。
病みつきになる程強烈な甘み!が、口の中いっぱいに広がる。
舌の上に、“お疲れ様”という言葉が滑って笑顔が滲み出そうになる。
堪らなくて横を見ると、
「美味しい!」
2人の笑顔もまた、疲れを絡めとったものに見えた。
その日の夜、
「あー、ベットー!!」
幼稚園児かよ…と言うくらいに大っきく伸びをする。
あの心霊調査、本当に上手くいくのかどうか…。
正直ありきたり過ぎて、不安要素を掻き立てるのは仕方がない。
…そして、喉が枯れる。
大地でも割れたのか!とても言い切れるほどの声を、私はしょうがなく出していた…。
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