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コメディ・ライト小説(新)
- あやかし町 第一期 #4 ( No.8 )
- 日時: 2020/05/30 12:16
- 名前: 鳴海埜 (ID: VHEhwa99)
第一期 #4[約束]
「あれは…十年前の事…。」
僕はあやかし達が住む和国で、のんびりと毎日を過ごしていた。そんなある日、一人の人間が和国にやって来た。和国に人間が来るのは何年ぶりだろう。昔はもっと沢山の人間が、僕達あやかしが見えており、和国を訪れていた。しかし、年月が経つ内に僕達が見える人間が減っていき、和国を訪れる人間が居なくなったのだ。
久しぶりの人間の訪問で、和国の皆はとても喜んだ。その人間は嶋哉と名乗った。僕達は嶋哉を歓迎し、宴を開いた。皆で酒を楽しみ、夜中まで騒いだ。いつの間にか皆その場で飲み潰れ、寝ていた。僕はふと目が覚め、辺りを見回すと、月を眺める嶋哉の姿を見つけ、側へ行った。すると嶋哉は、
「花嫁候補は決まったのか?」
そう僕に聞いてきた。和国の決まりに『上級あやかしは月ノ祭迄に花嫁候補を決める事。』と言うものがある。僕『九尾』は所謂上級あやかしの一種。100年に一度満月が2つ空に浮かぶ日その日を月ノ日と言い、その夜に行う神聖な祭りを月ノ祭と言う。次の月ノ祭は十年後。僕はまだ花嫁候補は決まっていなかった為、決まっていない、と嶋哉に応えた。すると嶋哉は
「ならば十年後、私の孫、咲奈を迎えに来い。約束出来るか?」
と言った。僕は『はい。』と言い、嶋哉と約束した…。説明し終わり、咲奈の顔をチラッと見ると、彼女はうつ向いて呆然としていた。なんて声を掛ければ良いのか分からず、とりあえず
「…って事なんだ。理解出来た…かな…?」
と声を掛けた…。
第一期 第4話 終
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意外にも見てもらえてるみたいで、とても嬉しいです!もし、感想とかあったら、書いて欲しいです!これからも、自分のペースで更新していきます!
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