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コメディ・ライト小説(新)
- あやかし町 第一期 #5 ( No.9 )
- 日時: 2020/05/30 12:20
- 名前: 鳴海埜 (ID: VHEhwa99)
第一期 #5[記憶]
「…って事なんだ。理解出来た…かな…?」
私が知らない間に、そんなことになっていたなんて…。しかも勝手に…。
ぐるぐると考え悩んでいると、隣に座る彼に声を掛けられ、ハッとし、彼の方を向いて、問いかけた。
「あなたは?あなたは私で良いの!?」
すると彼は、少しの間私を見つめた後、ふわっと柔らかく微笑み、
「勿論。咲奈で構わないよ。」
そう返されれば、もう何も言うことが出来なかった。あまりにも突然の事過ぎていた為、どう反応したら良いのか分からなかった。それに、まさかお爺様が勝手にこの様な約束をしているなんて、思ってもいなかった故に、混乱していた。すると彼は、
「…とりあえず…和国へ行こうか。」
そう言って、彼は立ち上がり鳥居の真下の真ん中に立ち、私を呼んだ。私はとりあえず、彼の居る場所の隣に立った。彼の顔を見上げると、彼も此方を見て、私の手を握り、
「目を瞑り、『和国に行く』という事だけを考えて。」
そう言われた為、私は言われた通り目を瞑り、和国へ行く事だけを考える事にした。
「和国よ…我らが立ち入ることを受け入れよ…」
彼が、何かを呟いた事だけは聞こえた。私は、和国に行く事だけに意識を集中させた。すると私達は暖かい光に包まれ、私はそこで意識が途切れた…
第一期 第5話 終
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