コメディ・ライト小説(新)

Re: あやかし町【第一期 第弍章 開幕!! 】 ( No.23 )
日時: 2020/12/13 00:40
名前: 鳴海埜 (ID: 0rBrxZqP)

この度は、報告もなしに1ヶ月もの間執筆を放棄しまい申し訳ありませんでした。諸事情により、ここ1ヶ月間とても忙しく、執筆する時間もありませんでした。
続きを楽しみにしてくれていた方々には大変申し訳なく思っております。
それでも、この作品を完結させるまでは、必ず執筆は続けていくつもりですので、どうか暖かい目で見守って頂けると幸いです。<(_ _)>
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第弐章 #13[異形いけい

「あれは…厄月やくづきと呼ばれる、あやかしにとって、最も厄介な年の事だ。その年は、今までの厄月の中でも、最も最悪な月だった。」


厄月…人間界に存在する厄年と似ており、あやかしの国"和国わこく"でいう厄月とは『多くの怨念や惡霊などの異形いけい達が集い群れとなり、その大群が和国中を徘徊し暴れまわる月』を指す。

「鬼神様ほどのお強い方でも、厄介と思われるほどのものだったということですか…恐ろしいですね…。」
鬼神様は五光の一人であり、その中でも一位二位を競うほどの強さだ。そんな鬼神様でも厄介だなんて…どれほどの災害だったのだろう。
「あぁ。実に恐ろしいな。だが私は、
奴(嶋哉)がたった一人で大群全てを処理してしまったことに対しても恐ろしいと思うよ。」
"たった一人"。いくら陰陽の者と言えども、人間なことに変わりはない。不死身ではないし、傷の治りも勿論遅い。それなのに、たった一人で、異形の大群を相手にし、全て処理した…。
「奴は、陰陽の者達の中でも、桁外れに強かったと言っても過言ではないだろうな。」
鬼神様はそう言うと、今も尚眠ったままの咲奈を見つめながらこう呟いた。
「"嶋哉"には本当に感謝してるよ。今も生きていたのなら…酒を交わし昔の話でもしたかったもんだ。あの時の礼も言えてないままだしな…。」
まただ。またさっきの顔だ。寂しそうな、悲しそうな顔。端から見ると普段となんら変わらないだろうけれど、何故か僕にはそう見えたんだ。

しばらくの間、お互い無言の時間が続いていたが、仕事があるから、と鬼神様は部屋を出ていった。部屋を出ていく際に、何やら咲奈に触れていた様に見えたが、あれは気のせいだったのだろうか…。



__その眠ったままの咲奈の手元には、小さめの鈴が2つ付いた紅白の腕紐が握らされていたのだった__。


第弐章 第13話 終