コメディ・ライト小説(新)

Re: 癖になるSS ( No.1 )
日時: 2020/01/03 13:59
名前: 雪 (ID: D.48ZWS.)

1話 相性診断


『2人の相性占います』

夫とショッピングモールで歩いているときに見つけた看板。
その横にはギシギシ動いているロボットが。

「ちょっと、あれロボットじゃない?」

「おお、確かに。とりあえず面白そうだから行ってみようか。」

私と夫は、好奇心の罠につられてホイホイと引き寄せられた。
ピコピコ音を出すロボットは小柄な身。その横には、ビジネススーツを着た若者っつらの男が和んでいる。

「あのぉ…、これって相性診断ですよね?」

少し疑問詞を泳がせると、男はこっちを向いて微笑んだ。
「はい、こちらのAI搭載ロボットが占うんです。」

「ロボットが?」

「ええ、お2人のお名前とちょっとした質問でそこからデータ処理をして診断をするんでしてね。最近人気を誇っているんですよ。あ、お二人方。ちょっと占って行きますかね?」

「んー、そこまで言うなら占ってみるか。」

夫が顎に手を当てると、ロボットに肩を向けた。
『ソレデハアナタノナマエヲオシエテクダサイ ピピッ。』

「えーっと、佐野 洋介・佐野 美月 で良いんだよな。」

ぎこちない手付きで画面を触る夫。
その手付きは、たまに誤字が見える。

『ピピッ、ソレデハセイネンガッピとシタノシツモンニカイトウオネガイシマス。』

それから数秒後、輪になって踊っていた読み込みマークがピタリと止まった。

『ピピッ、ソレデハシンダンケッカヲハッピョウシマス。…シンダンケッカハ…。』

私と夫は、すぐそばでゴクリと唾を飲んだ。
そして、その白い塊…ロボットの電子音が耳に入ってきた。

『シンダンケッカ0%!イマスグニワカレロ、イマスグニワカレロ!』

「0%??」

夫婦で一気に叫んだ。
まさか、0%とは…。
目の前でロボットが『warning』と言う赤い画面と共に回っている。

「おかしいなぁ…0%なんて、使いすぎて壊れたかなぁ…。」

それを心配の意で覗く男。









____夫は知らなかった。
私が不倫をしている事を。










____そして私も知らなかった。
夫が不倫をしている事を…。