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コメディ・ライト小説(新)
- Re: 霊と憂鬱 ( No.2 )
- 日時: 2020/01/07 14:22
- 名前: 真蓮 (ID: D.48ZWS.)
____魔霊師…
この世界に蔓延る悪霊を退治する術師。ホウキで空に羽ばたき、優雅に呪文を零す…。
その姿を見て、感動を秘めた者は数知れず。
今や魔法使いに並び、子供達が憧れる職業とされている。
…そしてアヤメは、幼い頃悪霊に駆逐された故郷から1人の魔霊師に救われ、今でも記憶の傍は滲みを出しながら残っている…。
ここは『ウィステリア魔法学院』。
偏差値は常人では歯が立たない程のこと。
そこでは毎年の如く一流の魔霊師・魔術師達が羽ばたいていきこの世界の平和を担っている
…しかし、厳しい校則によって途中脱落する生徒は細胞を数える程。卒業できるのはわずか少数の一流術師だけ。果たして、今年の新入生に、そのようなものは現れるのだろうか…。
そして今日、『アルストロメリア』の民達が待ちに待った入学式。
桃色の桜に乗って、見えてくる新生活の光陰。
全てが皆んな緊張を出した顔で、紺色のローブを振るわせている。
「新入生諸君、入学式おめでとう。私はヴィオラ。…この学院の長と覚えておいてくれ。
知っての通りここは、『ウィステリア魔法学院』。ただの学院では無く、一流の術師を振るいにかける場だ。今、この世。このアルストロメリアの地にも悪霊は蔓延っておる。この現状を新しいものへ誘う者、それが魔霊師・魔術師なのだ。全員が皆、根気に満ちているが…一つ言わせていただきたい。万が一校則を破った者は、その日付でウィステリアを辞めてもらう!」
周囲が急に騒めく。
濁った歓声のハーモニーを奏でる生徒達を見ても、ヴィオラは平然と威厳を見せている。
その肝が据わった様子に、発言を飲み込んだ生徒は人知れず…と。
新生活とあってか、新入生達は熱い塊を宙に浮かべていたが、それは一気に崩れた。
…そして、その冷酷さに生徒達は悪寒を覚えた。
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