コメディ・ライト小説(新)

Re: ♧共同体魔術♧    ( No.17 )
日時: 2020/02/17 20:16
名前: 紅蓮 (ID: D.48ZWS.)

「…なんだか湿っぽい。古い鉄の匂いも…するし。」

ここは『アルトアイゼン洞窟群』。
昔は鉱山として栄えていたが、今は鉄もなく昔の盛りは消えてしまっているようだ。
辺りには水が滴っていて、粒が落ちる時になる音もまた美しい。
そして…鉄の匂い。さすが鉱山、昔鉄を発掘したせいか人工の穴も何箇所か見えた。

「私たちの目的は、東58°にある礼拝堂みたい。途中に別地方のルートもあるから注意深く歩いていかないと。ここから逆算すると、どうにか2時間で往復できそうね。そうすると余るのが2時間。」

「ひゃー、大した洞窟ってことだねえ。いつもの自然がこんなに古臭くなるなんてね。」

「ま、2時間なら楽勝だろ?ほらさっさと進むぞ。」





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「…で。どうすんの?」

「どうすんの…って。どっちに進めばいいんやろか…。」


眼中に現れたのは、2つの分かれ道。
礼拝堂につながるのならば、印が書いてあるはずなのだが…。どちらにも印がない。


「あなたたち…何か、あった…?」

微かな声がして振り向く。
そこにはシオルクとカレンディと…シェンネ。
皆、入学式であった気がする。

「あれ、シオルク。…そう言えば、シオルクって隣のエンバール高原出身でしょ?なんか分かる?」

「…そっか。あまり詳しくはないけれど、基本的に魔術師はパワーが込められている場所に導かれるから…アルトアイゼンの場合は、左からパワーが出ているの。それと……」

「オッケー!じゃ、左に進めばいいんだね。」

「あ、ちょいフラン!」

シオルクの言葉を鵜呑みにして、私は奥へ走っていった。