コメディ・ライト小説(新)
- Re: 人魚姫は5日まで ( No.12 )
- 日時: 2020/03/22 10:51
- 名前: シナメ (ID: XLYzVf2W)
🐠⒐海に戻る日
あっあ〜。緊張した〜。
さっき私は直接、門寺君に返事をしてきた。
-とりあえず、私も好きになりました。
だけど、少し待って。1ヶ月間、時間を設けるから、その間に私をもう一度、惚れさせてください。
なんて変なお返し。
YesかNoじゃないと、男子は納得いかないかもしれないが快く引き受けてくれた。
今日は4月23日。私達は5月23日を「約束の日」とした。
翌日、24日。
アラームを止めたとともに、スマホの着信音がなった。
…誰?
輝夜?輝夜⁉︎
海に戻ってきて。そんな内容だった。
輝夜、同じ蒼蘭中に通っている。
本名は千種輝夜。
そして、実は輝夜も人魚なんだよな。
あと、私達三つ子だし。
前も言ったように私は、人魚の両親に捨てられた。
三つ子で一気に3人生まれた。
3人も一緒に育てられないということで、私陽帆と、姉の輝夜は人間にされた。
一卵性じゃないから、顔は別にそっくりってわけではないけれど、面影はある気がする。
輝夜が長女、私(陽帆)が次女、そして人魚のまま育てられている、三女の宙乃。
宙乃は人魚だから、苗字がないんだよなぁ。
でもおかしい。
輝夜は人間なのに、海に戻ってきてって。
私は直接聞いてみることにした。
何しろ、同じクラスなんだしね。
今日もまた梨音と登校した。
相変わらず早く着いた。
教科書の整理をしている途中、輝夜がやってきた。
しかも、誰かと一緒に。
何あの人、彼氏?
いや、彼氏はいないって言ってたし…。
それより、あの男子って、確か紀川君?
美男美女じゃん。
2人が教室に入り、輝夜が席についた瞬間に突撃した。
「あのメール何?」
小声で尋ねると、小声で返してくる。
「そろそろさあ、一緒に海に帰らない?』
「えっ⁉︎」
「もう私達、育てられるっていう年齢じゃないし、薬の効果が切れる期限を待って帰ろうよ。」
「いつ…いつ薬切れるの?」
私達は4ヶ月毎、海に戻って、人間になる薬をとりに行っている。
1回の服用で、4ヶ月もつ。
「私は丁度今日服用した。だから、あと4ヶ月、9月ごろかな。」
「そっか…えっ?今日薬の日だっけ?」
「え…ヤバ!だって前一緒に行ったのが12月24日で、今日丁度4ヶ月じゃん!」
「明日だと思ってた!そんな…じゃあ授業中に人魚に戻ったり…」
「可能性は十分にあるね…。」
顔からすうーっと血の気がひいた。
みんなに人魚ってバレちゃう。
……あ。チャイムが鳴ってしまった。