コメディ・ライト小説(新)
- Re: 人魚姫は5日まで ( No.7 )
- 日時: 2020/02/23 17:00
- 名前: シナメ (ID: XLYzVf2W)
🐠⒌ そっくりさん
…はあ。
参考書も読み終わったし、今日もredemo(レデモ)でも覗くか!
あ、言ってなかったよね。
redemoっていうのは、無料動画投稿サービスで、世界中の人が利用する人気サービス。
今じゃ会社ができたり、アリーナライブを開催したり…。
もはや経済を動かす存在といっても過言じゃないんだよね。
で、まあそれぞれのチャンネルがあって、気に入ったチャンネルは登録もできる。
高評価、低評価、再生回数の推移。
それらの数や人気に応じて、お金とかが貰える訳で。
私は今、ボーカロイドにはまってるんだ!
みんな美男美女で歌も素敵で…。
私もこうなれたら…なんてね。
そしてちょうど6時を回った頃、今日も同じアーティストの曲を聴く。
♪〜知らないないないな 知らないな
知りたくなかった 君の事
この手あの手 差し伸べし 春 目がかゆいな 心痛いな
小さな小さな、声にならないくらいの大きさで鼻歌を歌う。
もう旋律も歌詞も完コピしたからね。
なんか少し飽きてきたのかもしれない。
ーたまには違う曲でも聞いてみようかな。
そしてサムネで判断しようと、ずらずら並ぶサムネを眺める。
これにしようかな。
『電池切れ』
聞いたことない曲名だった。だってオリジナル曲だもん、当たり前だよね。
さらなる決め手は、アーティスト名が『いおりん』だったこと。
名前。似てるよね、いおんに。
違う人ってわかってるけど、なんか聞きたくなった。
なんでだろ。今はいおんのせいでむしゃくしゃしているのに。
そう考えている時にはもうサムネを押し、動画が始まろうとしていた。
ぐるぐるぐるぐるぐる……お。始まる。
その動画は女性の息を吸う声から始まった。
そして始まる未知の曲。
ーうまい。上手だな。
こんなに聞き惚れたことが今までにあっただろうか。
しかもいおりん、作詞作曲も手掛けているんだ。すごい。
この人が気になって仕方なかった。
とりあえず概要欄を開いてみる。
〈いおりん、中学2年生です。この度は…〉
って、マジか!中2?
本当にいおんなんじゃないの
ーとか思った。
そうやって聞くと、歌声にいおんの声の面影がある気がした。
でもありえないよ。いおんがこんなことする訳ない。
いおんが自ら歌う訳ない。
それと私はきっとそうだ。
なんでもできるいおんが、もしこれくらい歌が上手かったら…
本当に完璧人間になってしまう。それが怖かったのもあると思う。
再生回数はまずまずだったが、高評価数は低評価と比べてえぐかった。
そうか、いおんはもう私とは違う次元にいるんだ。
もう私の中でいおんはいおりんと化していた。
いおんのせいで私はこんな思いになっているんだ。
そうだ。絶対にそうだ。
洗脳でもされたかのように、それしか思えなかった。
いおんなんていなければいいのに。
もうこんな事まで考えてしまうとは思っていなかった。
でもそうしたら、またいおんが心配されて、私が悪者になるだけだ。
そうだ。
消えてもらえばいいんだ。
Thank you for reeding!