コメディ・ライト小説(新)
- Re: 君に染まってしまえば―――伝えてしまえ。 ( No.3 )
- 日時: 2020/02/17 16:14
- 名前: 雪林檎 ◆iPZ3/IklKM (ID: FCVTIPcN)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
Valentine2 「白黒はっきり。」
もうこんな気持ちにならないで済むように――――君に本当の気持ちを聞いてみたいと思う。
白黒はっきりさせたいから。
この胸が張り裂けてしまう前に本心を聞きたい。
そう思い、スマホを手にチョコレート売り場に行く。
私は、どんなチョコが好きとかわくわく考えながら、カゴに入れていく。
買いながら、チョコレートを渡し、三澄君と一緒になったとして気持ちを高ぶらせては、このチョコレートを渡してフラれてしまった時に大きな後悔をするのを想像していた。
傷つくのは私。
もしかしたら、喋れなくなるかもしれない。
それが、今の私にとって一番怖い事だから。
「―――あれ、香坂さん?」
苗字を呼ばれ、振り向くとそこに居たのは三澄君だった。
「え―――み、三澄君!?」
驚きながら、チョコレートの入ったカゴを隠すと彼はそんな私に気付かずにニコッと微笑む。
その微笑みに速くなる鼓動を抑えながらも私は嘘を吐く。
「えと、三澄君も夕飯のお買い物?」
と、言うと。
「よく判ったね。実は、そうなんだ……。」
はにかみながらも嘘を吐かずに本当の事を言ってくれる彼にときめく私。
本当に馬鹿だなぁ。
でも、彼が笑う度に私の心は踊る。
世界が姿を変えてように見えて、夢の世界にいるように感じられる。
そうやってまた、この人に恋していく。
ただ、見てるだけでもいい。
笑ってくれてたらって想う自分がいる。
「暗くなってきたし……一緒に帰る?」
私の事を心配してくれたのかな、と思って私の気分は最高に昂った。
「良いの?」
「……勿論だよ、暗い中で女の子が歩くのは危ないからね。」
行こうと前を歩いてくれる三澄君はいつも以上にカッコよかった。
もし一緒に毎日こうやって帰れる関係になったら幸せだろうな……。
「おれさ、香坂さんに憧れてた。だって、生徒会に授業もスラスラやって、どんなことも冷静に判断出来て俺みたいなのはできないことをやってるから…………。」
そんな私でも今は冷静じゃないよ。
三澄君の前では気持ちが昂ったり、沈んだり不安定だから。
どんなに幸せなことを想像したってその読みは間違ってるって思う。
それは、自信がないから。
三澄君に期待しちゃいけないって考えたこともあった。
だけど、期待しちゃうから。
冷静じゃないって、そう言おうとしたけど口が開かなかった。
夜空を見上げている三澄君はどんな星にも勝るほど綺麗だった。
「――――っ。」
三澄君と見る夜空はいつもより切なく、だけど綺麗だった。