コメディ・ライト小説(新)
- Re: 君に染まってしまえば―――伝えてしまえ。 ( No.5 )
- 日時: 2020/02/19 16:21
- 名前: 雪林檎 ◆iPZ3/IklKM (ID: FCVTIPcN)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
Valentine4 「チョコレート計画。」
2月14日、聖なる恋人たちの日―――バレンタインデー。
私の運命が決まると言っても過言ではない日だ。
今作ろうとしているチョコレートは、初めて渡す千耀へのプレゼントにもなる。
……まあ、それを渡してYESかNOかどんな答えになるかも判らないけども千耀に渡したいって思ってる。
「どうしても気持ちは伝えておきたいんだよね……。」
どんな事を言われたって千耀に素直な気持ちを想いを伝えておきたい。
『今週はバレンタイン特集として、チョコについて紹介していきます!』
テレビの中のアナウンサーが微笑みながら言う。
紹介されたチョコの中には、チョコブラウニーやチョコクッキー、チョコパイ……などなど華やかで美味しそうなものばかりだった。
「……千耀はどんなチョコレートが好きなのかな?」
甘い味より苦い味の方が好きとか、知っておいた方がいいことだよね。
「――――それ、牛乳?」
私は、千耀に向かって問いかけた。
すると。
「いや、イチゴオレ。甘くて、疲れが取れるって感じの奴。いっつも飲んでるけど、オススメ。」
……いつも飲んでいるのはイチゴオレなんだ。
「―――あ、これやるよ。」
「へ?」
そう言って投げられたのはチョコクロワッサンだった。
「なんか、昨日食べたそうに見てただろ?それに―――購買に行ってたから。」
見てたんだ。
ふわっと心が温かくなってなんて言っていいか思いつかなかった。
「迷惑だったらごめんな。」
千耀の言っていることも聞こえなくなるほど、胸がいっぱいになった。
もしかしたら、両思いなのかもって。
だけど、そんな淡い期待はすぐに裏切られた。
千耀が細かいところも気づくのは気配りやだからって。
「……ありがとう。」
声が低くなってしまったのはこの期待が裏切られたせいなのか判らないが
とりあえず、私の気持ちはモヤモヤするのと嬉しさの二つの感情が入り混じって複雑な心境だってことは言えるだろう。
「お、おう……。」
気まずいようではにかんだ声を出した千耀は人に呼ばれて走り去ってしまう。
気持ちを切り替えた私はチョコレートを渡すためのノートを作った。
千耀は疲れが取れるようにいつもイチゴオレを飲んでいるって言っていた。
ということは、甘いものが好きで苺も食べれるという事になる。
「甘いチョコレートは……ミルクだよね。ミルクチョコレート以外にも苺を入れてあげよう。」
濃厚で甘いと言えばチョコブラウニーかな?
じゃあ、形は立方体でトッピングは苺やカラースプレーを使ったものにしよう。
私はスマホ画面を見ながら、順序良くどんなチョコを渡すのか、どうやって伝えるのかも描いていった。
「―――……できたっ!!」
ノートを見ると綺麗に整えられ、チョコの図面や材料、箱、渡し方もすべて描いてかいていた。
これであと作るだけになる。
「……当日まであと2日、もう少し。よし、最高のチョコレートにしてやるぞッ!!」
気合いを入れなおして私はニコッと微笑んだ。