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コメディ・ライト小説(新)
- Re: 君に染まってしまえば―――伝えてしまえ。 ( No.9 )
- 日時: 2020/02/22 15:24
- 名前: 雪林檎 ◆iPZ3/IklKM (ID: FCVTIPcN)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
Valentine8 「不安。」
「……真宮の事はそう思ってる。」
食堂で充希とみわに真宮の事を言ってみると、
「「それって恋だよッ!!」」
と二人とも嬉しそうな顔をしながら言う。
その嬉しそうな顔に疑問は残るが、私は真宮の事が……。
ボっと瞬間、顔が熱くなる。
「じゃあ、チョコ渡すの?!」
充希が身を乗り出して訊く。
チョコだなんて―――私なんかが……。
でも、、、渡したら……どんな顔をするんだろう。
『―――ありがとう、実は僕も葉桐さんの事が……。』
潤んだ目で顔を真っ赤にしながらチョコが入った箱を握りしめる。
「……ん、葉桐さん。」
気が付くと、私は部室に居た。
あれ……?
目の前に立っていたのは、真宮だった。
その純粋な目をまともに見られなくなって思わす俯く。
なんて妄想してたんだろう……自分が恥ずかしい。
こんな私がチョコなんて渡せるはずない。
「……チョコなんて。」
そう呟くと、
「渡すんですか?」
気が付くと俯いていた真宮が私の事を見つめる。
熱っぽい目で。
「へ、えと……ま、真宮は渡してほしい人いるの?」
とチョコという単語に変に動揺してしまって、聞き返してしまう。
「僕は―――。」
ドキン、ドキン、、、ドキ。
鼓動が早くなる。
顔が火照ってくる。
熱い、苦しい。
永い沈黙の末、真宮がようやく口を開く。
「いますよ。」
星に願っても叶わない相手だけど、いつも一緒に居るだけでいいって思っていたんです、と眩しそうな目で言う。
「でも……一緒に居るだけで良いと思えないくなってきました。」
「―――あっそ。」
素っ気なく返したが、本当は胸が刺されたように痛かった。
静まりかえった部室はいつもより居心地が悪かった。
その沈黙が妙に心を縛り付けた。
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