コメディ・ライト小説(新)
- Re: ♢訳ありな蒼い星 ( No.3 )
- 日時: 2020/03/30 20:15
- 名前: 霞 (ID: LLmHEHg2)
episode2 影日
____…パイプ椅子…ショボい。
『風稜高校。入学式。』
風稜区、と言う場所に位置するこの高校。
これといった著名な卒業生はいないが、一応実績はある。
偏差値67と言う、低めに見つめっても一流。多めに見積もっても一流と、ただの凡人には到底無理。と言う感じである。…言い方は悪いが。
「長いな…。」
上履きの底で、暇加減をアピールしても誰も気付かない。
これが『沈黙の春』と言うもの?いや…沈黙と言うより『暇』か。
_________________________________________
____…進学早々から髪を染めてる人もいるんだ…。
入学式が終わった新入生達は、一気にクラス分け表に吸い取られる。
先程も言ったけれど、偏差値67の風稜はそれなりに校則が緩い。
薄いメイクを施し、ギリギリのスカートラインといった生徒はもちろん少数派だが。
しかし、その新学期のワクワク感は一瞬で灰になった。
「…ちょっと、あれって!」
「若井…ってあの『………』の事だよな?」
「ぇえ…。」
いかにも恐ろしいものを見る声である。
ただ、人々の談話のせいで肝心な所が鈍って聞こえてしまった。
そして、クラス名簿。人だかりのせいで見えづらかったが、微かに。微かに何か見えた。
『1年B組 21番 若井 翔』
名前の頭文字が『わ』と言う事で、やはり番号は1番後ろだった。
でも…それが一体なんなんだろうか?
好奇心と疑問感が浮き出てきて不思議な思いが止まらない。
「そう言えば…噂で聞いたんだけど、“アイツ”のいたクラスって必ず学級崩壊するとか…。
怖いったらありゃしないよ、もう…。」
「なんか“御曹司”とかなんだとか…親御さんにもし言いつけられたら…。」
____…Osorosii、恐ろしい。…
そんな文字が頭に過ぎった。
もし、同じクラスだったら…?
そんなハズは…!
『1年B組 11番 友寄 柚音』
「あぁあ。ホントにB組可愛そう。ドンマイ、B組。」
知らない誰かに、鼻であしらわれたような気がした。