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コメディ・ライト小説(新)
- Re: ♢訳ありな蒼い星 ( No.4 )
- 日時: 2020/03/12 14:22
- 名前: 霞 (ID: D.48ZWS.)
episode3 ホームルームと淡い期待
「じゃあ。ホームルーム始めちゃいます!皆起立〜!」
新卒であろうか、可愛い口調で場を和めている。
洒落た白のブラウスを身に纏って、飛んでいくようなセミロングの茶髪を見事に振り撒いている。
「えーっと、みんな!今日からキラキラな高校1年生!それじゃあ…まずは自己紹介、かな?」
白いチョークを黒板にくっつけて、いかにも女の子らしい可愛い文字を書く。
まだ使われていない円柱形のチョークが、音を立てて少しずつすり減っていく姿は春の空気を感じる一つの様だった。
『紺野 有彩』
現代風のおしとやかな名前が、彼女をよく表していて…思わず見惚れてしまう。
周りにあるぼんやりとした白い縞。その奥には、『ありがとう! 1年B組』と。きっと先輩達が昨年度描いたものだろう。
「紺野 有彩、1年B組の担任となりました!あと〜担当科目は算数です。まだまだみんなの事分からないけど、みんな1年間頑張りましょうね!」
____…やっぱりニヤついてる…!
ちょっくらクラスを見回してみると、ニヤついている男子。いや…女子も頬を赤らめているのだが…。でも、これから先先生は忙しくなりそうだな…別件で。
「じゃあ、先生プリント取ってきま…!」
その瞬間、教卓の上に置いてあった資料とかなんだとかが一気に宙を舞った。
慌てて落ちている資料を拾うと、丁度予鈴が鳴ってしまった。
____…頑張れ、先生…。
新人めいて、まだ双葉が生えそうのない彼女を見て心の中で応援をした。
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