コメディ・ライト小説(新)

Re: ♢訳ありな蒼い星 ( No.9 )
日時: 2020/03/19 15:53
名前: 霞 (ID: SUkZz.Kh)

episode7 保健室登校



______…最近見かけないけど、アイツ元気にしてるかな?

5月中旬。
春の装いも、一気に夏に近づいており最近はプール掃除が始まったクラスも出てきている。






昼休み。

…手に持ったのは、コンビニによくあるリーズナブルな梅おにぎり。…やはり華が無いが、別にいいだろう。

今日もあの不良少年が気になって屋上へ向かう。
…よく分からないけれどなんか悩みがありそうだったし…



今日はコンビニマークが描かれた袋を手に、屋上に足を運ぶと違う顔付きが、私を凝視した。

「______何ですか。」

「あ…いや。小野さん、来てたんだ。」

「未だに保健室登校ですけれど…。」

袋から梅おにぎりを取り出すと、彼女はそっぽを向いたような態度をとった。…おにぎりを頬張る私を、まじまじと見ていたが。




小野 葵。
中学時代からの友達であったが、保健室登校は高校生になっても変わらず。
まぁ…彼女。
成績は学年1であり、おまけに透き通った黒髪。誰も文句は言わないのである。

「お弁当、持って来てるんだ。」

「はい。母が週2でしか作ってくれないので、妹達の弁当作りで忙しいとか何とか。自分で作ってるのです…。」

ミントカラーの弁当箱と、ローズカラーの小さな入れ物。蓋を開けると、卵焼きやトマトに…。
クラムチャウダー。
彼女なりの、どこかあどけない感じがした。