コメディ・ライト小説(新)

Re: ♢訳ありな蒼い星 ( No.25 )
日時: 2020/03/29 15:59
名前: 霞 (ID: HPUPQ/yK)

episode16 裏を操るモノ


汐妙しおたえ 冰岸。
今彼女は、薄暗い回廊にいる。

「有沙、アンタの家殺風景過ぎない?」

「家じゃないわよ、トランクルームみたいなもの。誰かに近づかれちゃ厄介じゃない。」

目の前の女性は、腕を組み軽く溜息をつく。
怖い___誰もが思うだろう彼女の先入観は、実際の彼女の性格と適合していた。
しかし___この顔、ただ無愛想なだけかと思いきや、何かに威嚇しているようにも見える…。何があったのかと問いたくなるかもしれないが、きっと何かが隠されているのであろう。
そしてだるそうな表情は今にも突き刺さるであろうものであり、簡単に近づけないよう…いや、怒らせたらどうなるかぐらいの雰囲気を出しているのである。
それが冰岸の協力者“紺野 有沙”である。

「しかし…。女の裏とは怖いものねぇ…。鳥肌が1000回立ってもおかしくないぐらいさ。」

「裏じゃないわ、計画の為の媚売りよ。もし何か私達の不都合が発覚しても、私が積んだ“信頼性”で事を収めるため。…まったく、口だけは達者なのね。」

「ずる賢いっていうか__計画性のある女だね。」

1年B組、紺野 有沙。
いつも天然で、天使のような彼女は夜になると毒々しい悪魔へと変貌を遂げる___誰も知らない事であり、知られてはいけないのである。

「そういや、有沙。なんで今日は呼んだん?」

「…メモリ。記事集めてきたから目を通してちょうだい。」

彼女の表情を知ることは出来ないが、彼女は華奢な手を伸ばして黒いメモリを差し出した。







「ありがと、情報屋アリサ…。」