コメディ・ライト小説(新)
- Re: 不良部長と私の空想科学部 ( No.10 )
- 日時: 2020/03/31 11:49
- 名前: 蒼星 ◆eYTteoaeHA (ID: .SLYx3CV)
【幕間は視点が雪花以外になるのが多いです】
#幕間 アタシと雪花の報告会議1
風紀委員会議の翌日の昼休み。会議室には3年生にして副委員長ことアタシ、矢神花恋と、例の問題児を補正する事になった後輩の黒木雪花の二人が居る。
「せっちゃん。彼に合ってみてどーやった?」
アタシは会議室の椅子に座っては、机越しで正面にいる彼女に問いかける。因み『せっちゃん』というのはアタシが勝手につけたあだ名。アタシは委員会の子や親しい子はみんなあだ名で呼んでいる。
「あーそれが....」
彼女は言葉を濁しては右手で髪を弄っていた。彼女とは去年から同じ風紀委員で、協力して仕事をしてきたし、同じ委員でも親しい方だから彼女の事はよく知っている。そして...彼女が右手で髪を弄っているのは比較的良いことがあった時。
「なになに、いーことあったの?」
アタシはニヤニヤしながら尋ねてみる。すると、彼女はゆっくりと口を開く。
「彼が問題行動を直そうとしないので彼の部活に入部する事になりました」
なんと。彼が廃部決定の通称『部活もどき』である『空想科学部』部長なのは知っていたが、一応彼は人の話を聞かない問題児だとされている。なのにまさか昨日だけでここまで話が進んでいるとは。アタシは彼女に驚き半分、そしてこれからへの期待半分を抱く。
「えっまじ!?それってせっちゃんから入るって言ったの?それとも...」
「響先輩からですね」
「ええっ!!?」
再び驚く。彼...響からという事もそうだが、彼女...満更でもないというか、寧ろ嬉しそうだから。
良いことってこれの事か。せっちゃん今まで部活やって無かったからなー。本当の目的は別だといえ部活動が出来るのは、アタシが彼女の立場でも嬉しい。それに...今の彼女の気持ちには多分響の人柄も影響しているのでは?とも思う。
「響本人はどう思った?『問題児』って事は除いて」
「印象は意外と良い人だと。外見も悪くはないですし、私が転んでしまった時に心配したり。普通に話も聞いてくれたし、悪い人だとは思いませんでしたね」
やっぱり。思った通りだ。本人無意識だろうけど良い笑顔。こりゃかなり彼に対しての好感高いなー。せっちゃん言葉は素直じゃなくても、表情や仕草が素直だから気持ちがすぐ解る。
それに彼、響についても幼稚園の頃から接点はあったから彼の事についても結構知ってる。彼結構優しいから、今の状況になったのもなんか理由あるっぽいし。それに話聞いた感じだと根っ子は変わってないみたい。
「それが聞けてよかった。じゃ、引き続きせっちゃんにお願いしようかな。何かあったら言うんだよ」
「解りました」
アタシの言葉を聞いたせっちゃんは一礼すると会議室から去っていった。
彼女が去ってからは当然会議室にはアタシ一人だ。一人なのを利用して声に出して少し気持ちを整理しよう。
「はぁ...所謂『幼馴染み』が問題児になった時はどーしようかと思ったけど。今の状態なら大丈夫だね。昨日の会議で立候補する人がいなかったらアタシがやるつもりだったけど...せっちゃんに任せて正解、だったかもね。アタシじゃ感情に流されちゃうけど彼女ならそんな事ないし。
でも、ちょっと悔しいなぁ。アタシが行けば彼に近づけたのに。...なんて、風紀委員、それも副委員長のアタシがこんな事考えちゃいけないね!私欲を持ち込んだら駄目駄目!」
パンパンと両手で頬を叩いて邪な考えてをした自分を正気に戻す。
「よし、もうこの話はやめ!そろそろ戻らないと昼休み終わっちゃう!」
誰かが居るわけでもないのに一人で喋っては、アタシはこの部屋を後にした