コメディ・ライト小説(新)

Re: 不良部長と私の空想科学部 ( No.11 )
日時: 2020/04/01 15:00
名前: 蒼星 ◆eYTteoaeHA (ID: J1W6A8bP)

2章 『部長と新入部員の空想科学』

#7

花恋副委員長の会議があった日の放課後。今日から私も部活動開始という事なので、部室の第2科学室にやってきた。廃部決定部活に通常教室以上に広い部屋を部室として振り分けたのは少々謎に感じる。

「こんにちは」

「お、やっときたな。遅いぞー」

「サボりの響と違って雪花さんはちゃんと授業出てるんだからこの時間が普通よ」

人がやってきて直ぐ様文句を言う響先輩。反論の1つや言ってやろうとも考えたが、既に来て座ってる赤嶺先生が私が言いたい事を全て言ってくれた。

「はいはい。俺とは違う真面目な風紀委員さんだもんなー。
じゃ、部活始めるから座ってろ。後何か書ける紙とシャーペンあるといいな。鞄は...使ってない机に置くなりしてくれ」

「解りました」

私が先輩に言われた通りに準備してると、先輩が部屋の隅にあるホワイトボードを取りに行ってた。

「あのー。赤嶺先生。今更ですが入部申請しなくても大丈夫ですか?」

「この部活無いと同様だから大丈夫。響も今年の継続申請は要らないって言われたし。その代わり一応部室はあるけど部費はないね」

「はぁ...。というか、先輩、部活はしっかりやるみたいですね」

大事なとこがガバガバだなと思いつつ、色々と道具を持って、机と棚やら行き来してる先輩を見てポツリと呟く。

「...この部室は卒業した先輩達が学校に頼み込んで残してくれた部室だからね。自分の代で廃部になるのを変えれないなら最後までやりきりたいんだと思うよ。先輩達は魔法を知ってる数少ない人。先輩達が居たから去年までの響は頑張ってこれたんだろうし。......これ、去年最後に撮ったこの部の写真」

先生はそう言っては、携帯電話に映る一枚の写真を見せてくれた。その中心には掌に炎を灯した笑顔の響先輩。回りにいる先輩方と思われる人達も何かしらの魔法を使いながら笑っていた。部員人数も多いとは決して言えない人数であったが、写真を見るだけでとても充実した部活だったのが窺える。昨日この部活の存在を知った私でも廃部させるのには勿体ないと感じる位には。

「...どうにか、この部活を再建できないでしょうか」

「そうしたいけど...無理ね。大勢に魔法を広められないだけなら、信頼できる子を探せばいいだけだけど...去年はみんな忙しくて新入部員の勧誘が出来なかった。だから本来なら『部活もどき』としてすら残ってない訳なの。でも卒業した子達って委員長や生徒会所属ばかりで、成績も優秀な子ばっかだったからね。そんな子達が揃って言うんだから『今年だけ』って特例で残ったの」

意外すぎるこの部活の歴史に私は何も言えなかった。もっと早く私がこの部活を知っていれば少しは変わったのだろうか。

「おーい。何辛気臭い顔してるんだよ。始めるぞー」

道具の運搬が終わったのだろうか、先輩は私達の後ろに来てはポンポンと肩を叩いてきた。

「ひゃ!?びっくりさせないでください!」

「だってさっきから声かけても全然反応しねぇじゃん」

「そ、そうでしたか。すいません」

「いいよ。気にしてないし。じゃあ......始める時なんて言えばいいんだっけ?」

「はぁ。そこは部活によって異なるのでなんとも」

去年まではちゃんとやってたんじゃないのかと思いつつ答える。

「そか。なら...えー空想科学部部活動はじめまーす!」

Re: 不良部長と私の空想科学部 ( No.12 )
日時: 2020/04/05 18:34
名前: 蒼星 ◆eYTteoaeHA (ID: rE1CEdls)

#8

「はい、早速始めるぞ!とは言え、どっから説明したものか......
あ!なあなあ、雪花にとっての魔法ってどんなイメージだ?」

先輩は『うーん』と考えては、何かを閃いたのかポン!と掌を叩いてから私に尋ねる。

「そうですね。やっぱり何もないところから物質を生み出すイメージです。実際の魔法はどうなんですか?」

幼い頃見た女児向け魔法少女アニメを想像しながら真顔で答える。

「やっぱそういうイメージだよなぁ。
実際はだな......気体の中に『魔素』ってのがあるんだ。それは人の手を加えると変質しやすくなって、他の物質になったりエネルギーを起こしたりできる。で.....姐さん、実演してみてくれ」

先輩は途中まで真剣に説明しては赤嶺先生にふる。

「はいはい。『ファイア』!
実際呪文?詠唱?はしなくてもいいけどした方がやりやすいね。言葉は人によってやりやすさ変わるみたい。響は日本語の単語だしウチは英語とかの単語。卒業生にはエターナルフォースなんとかって子もいたね」

軽々と掌の上に炎を灯しては笑顔で説明をする先生。なるほど...日本には『言霊』とかあるみたいだしそれ関係なのだろうか。前は言霊なんてあるのかと怪しむが魔法があるんだ。言霊もあってもおかしくない。

「どーやって他の物質にできるかは詳しく知らないな。俺の親戚の天才野郎が調べてるけど...空気中から電子を捕まえたり、陰イオンの物質から電子を取ってるとか、自然放射線を取り込んでるとか、分裂してるとか色んな説があるみたいだ。
ま、これは置いといて。仕組みが解れば雪花もできると思うぞー。水とかが簡単だからやってみろ」

いきなりやってみろと言う先輩。というか、先輩の親戚に天才がいることの方が気になった。

「じゃあ...『ウォーター』!......『水源』!『流水へと変異したれ!』うう、できない...」

試しにイメージしながら唱えてみるも水は一滴もできない。出来ないせいで変な呪文も唱えてしまい少し恥ずかしい。

「あー...なら手伝ってやるよ。
利き手出して深呼吸。そんで手に血を集まるイメージして.......なんか全身から手に集まってる感じしないか?」

(先輩近い.....先輩、近くでみると結構格好いいかも...。それに手は白くて細いんだ...)

先輩は真横で私の手を掴んでは優しくゆっくりと説明をする。が、当の私は見とれていてその声は聞こえてない。

「どうだー?できそーか?」

「えっはいっ!?す、すいません、聞いてませんでした!?」

先輩の声でふと我に帰る。

「おいおい、風紀委員さんよぉ....まぁいいや。もーいっかい手に血、いや魔素を集めて。そっから水...酸素と水素を合わせるイメージをしてみろ」

「は、はい!」

先輩に言われた通りに集中して強くイメージする。すると...

「......み、水だ!出来ました!」

掌から溢れない程少ない水。でも、確かに水へと変換すること、魔法を使う事に成功した。
私は喜びで小さい子供みたいに声を出す。

「ふふっおめでと。これで雪花さんも魔法使いね!」

「やればできるじゃないか。繰り返せばもっと大量の水を出せるよーになるぞ」

先生は私の両手を掴んで、先輩は私の頭を下手くそに撫でて、それぞれ誉めてくれた。

「ありがとうございます。
監視の為でこの部活に入りましが...魔法ってできると嬉しいんですね」

Re: 不良部長と私の空想科学部 ( No.13 )
日時: 2020/04/07 16:44
名前: 蒼星 ◆eYTteoaeHA (ID: 5obRN13V)

更新じゃなくてすいませんね。

今のこのサイト過疎ってるんで仕方ないと思うんですけど...やっぱ参照あんまし増えないって悲しいねぇ。小説って思ってる以上にモチベーション大事なんですね。甘く見ておりました(こんな駄文だから増える訳ないわな)
という訳ですので..もっと更新ペース落としますぅ。すいません。