コメディ・ライト小説(新)
- Re: 不良部長と私の空想科学部 ( No.6 )
- 日時: 2020/03/30 12:02
- 名前: 蒼星 ◆eYTteoaeHA (ID: 0llm6aBT)
【うぎゃあ!トリップつけ忘れてた!
と、いう訳で今回からこのトリップでいくので宜しくおねがいします】
#4
「はぁ。...先生、正気ですか?」
ため息を吐いて、立ち止まっては呆れながら先生を見る。しかし、先生の瞳には理性はあるし、とても嘘を吐いてる雰囲気ではない。
「正気だよ。
ここには人通りもないし...魔法を見せてあげるから、ここで見た事は他言無用にしてね」
先生は私と同様に立ち止まり、とても自信に満ちた目で私に伝える。先に他言無用と言う当たりその自信が伺える。
「じゃあいくよ...『ウォーター』!」
先生は右手を前に翳し叫ぶと、その手から水が流れ出し、廊下を水溜まりへと変える。少量なら袖に小さいボトルでもあるのかと疑えるが、数Lはある大量の水。疑いようがない。
私はそんな非現実的な光景に驚きで唖然とする。
「もういっちょ!『フリーズ』!」
今度は先程の水が広範囲に流れる前に、先生が居る位置から氷っていく。この時は辺り一体の温度も下がってるように感じた。文字通り背筋が凍りそうなくらいには。
「やっぱ直接物質に改変するより、熱エネルギー産み出す方が難しいなぁ...」
目の前の光景に頭が追い付けなくて混乱しだした私を他所に、先生は訳のわからない事を呟いている。
「まぁでも...これで信じてくれたかな?雪花さん。...おーい、雪花さーん?雪花ってばぁ!」
「は、はい!」
先生が私の体を揺らした事により、ようやく混乱が解け、はっとして返事をする。
「信じてくれた?」
「こんなの見て信じるしかないじゃないですか。他の人にも見せれば信じてもらえるんじゃないですか?」
苦笑いをしては先生の問いに答え、逆に問い返してみる。すると先生は険しい顔になり...
「そうしたいのはやまやまだけど...沢山の人信じてもらえても、それはそれで厄介なの。それに...心無い人に悪用される可能性もあるし、教えた子自身は良くても、その子が更に教えて悪人に伝わる可能性もある。それに実際見せてもマジックやら映像やらって言って信じてくれない頭の硬い人間が多いのよー!腹立つ!なんで人間は未知の事や都合が悪いことを信じようとしないのよ!」
「はぁ...」
最後の方はただの愚痴にも感じるのだが、気のせいだろうか?
「まぁそんなこんなあってね。信じて貰えないしで教えるのは控えるようにしたの。君に教えたのは...何となくだけど君なら大丈夫かなって思って。ウチの勘はよく当たるんだ」
自信満々に大丈夫だと言ってもらえる事は嬉しいが、私側の気持ちは無視なのが気になる。
「さ、この話は終わり!そろそろ科学室に行こっか。響に怒られちゃう」
「は、はい!」
先生はパンパンと手を叩いては氷を一瞬にして消してみせては、再び歩き始める。私はその後を早歩きで追うのだった。
【魔素について捕捉。改変でエネルギー自体を産み出して温度を変える事ができたり、改変した物質を再び改変して元の魔素に戻す事も可能。エネルギーを産み出すのはかなり難しく、再び改変するのはかなり簡単である】