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コメディ・ライト小説(新)
- Re: 溶けない星、枯れない妖… ( No.7 )
- 日時: 2020/04/06 18:02
- 名前: 紫音 (ID: 1866/WgC)
2話 悩み事
「あれ、凪。どうしたのそんな顔して。」
「あ…、いやちょっと悩み事があって。」
帰り道。
部活が始まる前であり、いつもより早く下校することが出来た。いつもの下校時刻は5時。しかし、今日は4時とあって夕暮れに染まっていない道路を生徒達は歩く事ができた。
「…あ。もしかして、私とクラスが違うから悲しいって感じ?」
「なっ、訳無いじゃん。…もっと別の事だよ。ほら、もしさ相手に無理難題を押し付けられたら星来はそれを引き受ける?」
「ふぅん。そういう感じかぁ。もっとヤワな悩みだと思ったけど…仕事第一なのね。」
彼女と会うと、唇の中から溢れんばかりな言葉が出てくる。
その姿はまるで、彼女に直接音を振りかけるようであり音の鍵を彼女の耳の中にそっと入れているよう…。そしてその音は周囲の音にかき消され、私と彼女以外の人間には、何かしらも聞こえていないのだ。
「ん…。私だったら引き受けるなぁ。」
「星来は、引き受けるの?」
驚いてもう1度聞き返すと、「そうそう。」と口を開く動作が見えた。
「だって。人が困ってんでしょ?つーか、その人は自分の事を信頼してお願いしてくれたんじゃないさ。それに応えるのは、強い者の使命だよ。」
いつものチャラさに驚くぐらい、彼女は勇ましく宣言した。それを引き立たせたいのか少しの光が彼女の背中に当たり、より一層たくましく見えた。
「じゃあ帰りになんか飲んでいこう。」
「だねぇ、私カフェラテにしよっかな。」
そうして、私達は新しい足取りで指差す方向へ足を運ばせた。
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