コメディ・ライト小説(新)
- Re: 盲従× 猛獣◎少女のしつけ方 ( No.2 )
- 日時: 2020/04/06 23:02
- 名前: 迅@スピードランペイジ (ID: siKnm0iV)
第零話
「月下美人」
「さて、かなり走ったし帰るとするか!」
ペットボトルのスポーツ飲料を飲み、常盤春兎は暗い夜道を走り出した。街灯に照らされながら家に帰る途中、ポケットのスマートフォンが唐突に震え出す。春兎が出ると、少し焦った様子の春兎の妹・茜が問い詰めてきた。
『お兄ちゃん!』
「茜か、どうした?」
『今どこらへん?』
「今どこら辺って言われてもな……」
春兎はスマートフォンの地図を広げ、自分が今いる場所を確認する。場所は家から数キロ離れている国立公園、歩けば80分、走れば40分で往復出来る距離だった。
「国立公園、後20分くらいあれば帰れるよ」
『なら良いんだけど、夜道は危険が危ないから気を付けてね!』
「分かってるよ」と茜に告げ、通話を切りいつの間にか市街地に入った事に気付く。そして春兎は背後から気配を感じ取り、足音の方へ振り向く。そこには、春兎が通う高校を身に纏った少女がフェンスの上に立っていた。その少女に見覚えがある春兎は、フェンスの上に立つ少女に声を掛ける。
「梔子!?お前、梔子…だよな!?」
「!?」
「!危な………!」
梔子と呼ばれた少女は振り返ると同時に、バランスを崩してフェンスから落ちてしまう。春兎が受け止めようとした刹那、彼女は体を『猫のように』翻し、春兎に覆いかぶさる形で落下した。
「いつつ……だ、大丈夫か梔子ィアッ!?」
目の前に広がった不可思議な光景に、春兎は思わず奇怪な叫び声を上げかけるが、咄嗟に口を塞いで声が漏れるのを防ぐ。視界に飛び込んで来たのは、まるでたわわに実ったメロンのような双岳。そして春兎は誤って双岳に触れてしまい、梔子は反射的に飛び退く。
「あ、わ、悪い梔子!決して態とじゃ…」
「大丈夫?」
問いかけて来た彼女に、春兎は「お前こそ大丈夫だったか?」と逆に問いかける。すると、少し頰を紅潮させ頷いた彼女は、春兎が礼を述べる前に走り去ってしまった。
「あの頷き…大丈夫って事で良いんだろうか」
無事に家に帰る事は出来たが、風呂に入る中で春兎は不可抗力とは言え高嶺の華と言われている梔子に触れる事が出来た筆舌し難い高揚感と、一つの疑問に明け暮れていた。何せ普通の『人』なら、『あの高さかつ幅数cmのフェンスの上を全力疾走する』事など、到底出来るものではないのだから。
次回
第壱話
「黒豹の少女」
