コメディ・ライト小説(新)

Re: 記憶屋、私です ( No.12 )
日時: 2020/04/19 16:52
名前: 桃花染 (ID: vpptpcF/)


5話

「えー、始めまして!2年5組担任『津倉真帆』と言います!今日から皆さん高校2年生、張り切りましょうねぇ。…あと、下級生には優しく。」

彼女が声を出すと、教室は一気に静まり返った。
彼女は大人しげかと思いきや、ハキハキと喋っておりどうやら明るい性格のようだ。髪型はセミロング。少しばかりの茶髪がアクセントになっており大人っぽい感じを纏っている。そして彼女の春に相応しいワンピースは、日光に照らされ少し目立っており、気持ちが和むような色に変化している。




________その後。



「はい、最後に。転校生を紹介します!出ておいで〜、“本田さん”っ。」

先生の紹介で、私は姿を表すとクラスメイト達は腰を抜かした表情で私を凝視していた。

_________…怖いな…。私、殺されるのかも…。

ランウェイを歩く新米モデルのように一気に体が固まりそうになった。でも、明らかに殺気を感じる。…しょうがない。転校というものはこういう物である。恐怖心を心の隅に置きながら、私はゆっくりと口を開いた。

「…ええっと、“本田緋色です!父の仕事の関係で今までアメリカに住んでいました。どうぞ、よろしくお願いします。」

ペコリと頭を下げると、大きな歓声が教室全体を包み込んだ。辺りを見回すと、目の前に映ったクラスメイトが真剣な表情で私を見ている。

「じゃあ、本田さんの席は________」



_________…っ?



ジッと見つめてくるクラスメイト達。
その目の奥には、何かしらの願望が詰まっており気のせいか少しホラー映像に見えた。そしてその懸命ぶりは、高校生として見れない程…だった。

「皆んな静かに。…とりあえず本田さんの席は、時和さんの隣ね。あそこ。」

「あっ、はい…。」

先生に指示され、私は一番後ろの空席に向かう。


でも1つ気になる。
…人間は、転校生で騒ぐ生き物なのだろうか…。