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コメディ・ライト小説(新)
- Re: あん、どぅ、とろわ!! ( No.1 )
- 日時: 2020/04/20 15:45
- 名前: 音宮 ◆tLeuPgu5MI (ID: luVW6Vyr)
プロローグ
___それは御伽噺か空想か……___
降りそそぐ雨の中、森を切り抜けようと走る男がいた。
「っはぁ……っ」
どれくらいの距離を走ったのだろうか。
走っても走っても後ろから追っ手の足音と銃声が聞こえる。
「ちくしょ……っ」
これ以上逃げ続けることは無理かもしれない。
先程撃たれた足と肩の痛みが限界を迎えている。
「……」
腕の中の赤ん坊をふと見ると、この状況ことを知らずにすやすやと気持ちよさそうに寝ている。
「……っ」
俺のせいで産まれたばかりの可愛いこの子を死なせる訳には行かない。
なんとかして切り抜けられることは出来ないのだろうか。
しばらくすると、目の前に大木が見えた。その木の根元には樹洞もある。
交通として使っている樹洞もあるが、そのほとんどはどこに繋がっているか、また行き止まりなのか不明点が多く、利用する人は少ない。
だが、今はもうこれにかけるしかない。
迷っている時間などなかった。
『助かりたい』
その一心で木の根元の樹洞に飛び込んだ。
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