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コメディ・ライト小説(新)
- Re: ___今、染まってしまえば、本当に成れそうで。 ( No.5 )
- 日時: 2020/05/09 18:02
- 名前: 真朱 (ID: uJGVqhgC)
#4 「目を擦ればセーラー服」
「おはようございます_____」
今日は入学式___なのに、眠い。瞼が重い。
原因はどうせ、昨日はそこまで眠れなかったからか。足元が少しふらつく。
服装は既に着替えており、いつでも家を出発できる…そんな感じだ。
少し落ちそうで怖いが、少し趣のある階段を降りていくと、セーラー服姿の紅新____だけ。
「母様は?」
やる気の無さそうな声で、少しばかり聞くと「先に行った」とぼやけた返事しか帰ってこなかった。
________…今日は入学式なのに。
これが子供の願いである。
どんな時間でさえも、やっぱり一緒に居て欲しい。そう言うものだ。それでもしょうがない。母様はとにかく忙しい。私の父様____彼女の夫を亡くして間もない頃だって、悲しみを隠し霊媒師として生きてきた。そこにはもはや、感謝しかない。
そもそも、母様は腕の良い霊媒師だ。
毎日依頼が殺到し、商売の目で見れば『超黒字』である。
食卓に目を向けると、母様が作った定番でしかない味噌汁。米。パン_____。なぜ主食が2個もあるのだろうか…。けれども、母様は忙しかっただろうからしょうがない。とりあえずそこは気にせず気怠く頬張る。
今は7時半。入学式まで1時間を切った。
残念ながら、まだ高校生という実感は沸かない。それは当たり前であろう事である…。分かりやすく言うと、桜を見ても何も思わない感情と大体一緒だ。
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