コメディ・ライト小説(新)

Re: ___今、染まってしまえば、本当に成れそうで。 ( No.8 )
日時: 2020/05/07 13:44
名前: 真朱 (ID: okMbZHAS)

#7 「クラスは?」



厳かすぎた入学式。
辺りは驚くほどしんとしており、息の音が漏れるのも申し訳ないくらいだ。高校とあってか、新入生の数はとてつもなく多く、言い方は悪いが『黒ごま』がどっぷり流れているのか____と思うほどであった。

此処、『稔川高校』____『稔川高等学校』は部活動共にイベントが盛んな高校である。最寄駅は『稔川駅』、『新稔駅』…と言う感じであり、他の地区からの生徒も多数入学してくるそうだ。高校の近くにはショッピングモールやチェーン店が多数あり、放課後に友達とブラつく生徒が多い。
偏差値は、平均偏差値からほぼほぼ高い程度。簡単に言えば、偏差値60程度の上位校である。稔川高校はここらへんでは珍しい公立であり、だいたいの中学生がそこを志望校として選ぶようだ。それだからか、同じ中学の仲間と新学期早々テンションを上げていく生徒も結構居るらしい。

________新入生結構居るな…。


今年の新入生は、なんと310人越えであり通常の新入生より20人ほど多い。クラスの数は6クラスらしい。





____________________


入学式も遂に終わりを遂げると、新入生の雪崩はクラスが書かれた掲示板へ向かっていった。この状況、どの視線で見ても混んでいるとしか思えず仲良しと同じクラスになった___ならなかったで嘆いたり喜んだりしている生徒が何人か居た。

「紅雨っ____。」

振り返ると、陽和が手を振っていた。
そしていつの間にか私は、磁石に引き寄せられる砂鉄のように日和の元へ向かっていた。

「ごめん、ちょっと混んでてはぐれた。入学式の席、何処だったの?」

陽和の近くにつくと、まずは声を発した。
すると彼女はこっちを見て、口を開き始めた。

「2列目の1番左。紅雨はどうだった。」

「ん…1番後ろかな。ちょっと見えにくかった。…あ。そう言えばクラス名簿確認した?」

「まぁ、一応。5組。…そっちは。」

陽和が深刻そうに尋ねる。
このクラス発表のドキドキ感は毎年一緒だ。この容赦ない体験を小学1年生の頃からやってきたんだもの。