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コメディ・ライト小説(新)
- Re: ___今、染まってしまえば、本当に成れそうで。 ( No.13 )
- 日時: 2020/05/09 18:01
- 名前: 真朱 (ID: uJGVqhgC)
#12 「不在着信の山」
『_____…未読。_____』
彼女から既読がつかない。
休み時間、そして女子トイレの中。先生にバレないようひっそりとスマホを弄っていた。
本来、この高校は昼休みしかスマホを使う事が許されていなく_____これでも結構校則は緩いほうなのだが____トイレの中など、人目を盗んで使う生徒は結構居る。…私もその中の1人だ。
「…やば。厚かましい田舎の母ちゃんみたいな事しちゃってんじゃん。」
スマホの履歴を見ると、紅新に送ったメッセージが50件ほど見えた。
「そもそも紅新が提案してきたのに…。」
私は少し憎たらしいものを見るように、スマホの画面を見つめた。
…提案と言うのは、昨日の出来事である。
_____『ねぇ、紅雨。アタシ達ひっそりLINEしてみないかね?』
『LINE?…先生に見つかったらヤバいんじゃない?』
私は少し心配そうに彼女を見つめると、彼女は自信満々に答えを返してきた。
『大丈夫、“トイレ”なら全然バレないんだってさぁ。昔、紅姉ちゃんから聞いたんよ。』
『姉様から…?さすが、紅新と似過ぎだわ…。』
私はほんのり溜息を付いた。
すると彼女は、「どーいう意味よぉ〜」と少し疑り深い目でこちらを見てきた。さすが姉妹。いくつ歳を重ねても、似てるものは似てるのである。
『まぁ、そうゆーことで。明日からひっそりやってみよ!』
紅新が笑顔で迫ってきた。
…さすがにここまで迫られると、「嫌」と言う訳にもいかない。そういうものである。
『まぁ…いっか。じゃあ明日、私から連絡するね。』
「やっぱり、姉様に似過ぎ…。」
いつの間にか、私は溜息を付いていた。
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