コメディ・ライト小説(新)

Re: ___今、染まってしまえば、本当に成れそうで。 ( No.19 )
日時: 2020/05/14 20:11
名前: 真朱 (ID: HPUPQ/yK)

#16 「恋、しちゃった」



『やっぱり、紅新は思春期真っ只中なんだね。』

LINEの青い背景の手前に、白と緑の吹き出しが表示された。メッセージを入れると、一瞬で既読が付く…魔法と言うか、イリュージョンのようにも思えた。

『だねぇ〜、ギャップ萌えするね〜♡』

陽和からのメッセージは、少し可愛らしさが余っていて甘い心がほんのり残っている。

9時。
部屋の中。暗さが混じっている部屋の中に、明るい白の電灯が灯される。部屋の中では風の匂いが蔓延して、体の奥底が冷やされて凍てつく。体がダラダラしていたいと言うばかりに、奥底の氷が溶けない。

『ねぇ。』

一筋のメッセージが、青い背景を少し隠した。
その長さわずか3文字。1cmにも満たない程であろう、何かに埋もれた米粒のように____。

『ちょっと相談イイ?』



________スッ…。

軽快な空気の音…では無く、メッセージが届いた音…『通知音』が鳴り響いた。

『今から言う事、誰にも話さないでよ!…特に紅新ちゃんとか紅雨ママとかぁ。』

『話す訳ないじゃん。そもそも母様は忙しいんだよ。』

錯覚のような。遠方から咳払いでも聞こえそうな感覚が身を包んだ。

『コイ。』

『は?』

鯉、故意、濃い、こい……。
思い当たる言葉はこれしか見つからない。
いきなりどうしたのだろう、漢字のクイズでも出したいのだろうか。だが、陽和はそこまで勉強好きではないハズ…。

『ヒント!10画の漢字。』

新たなメッセージが浮き出る。
これじゃあまるで、“謎解き”では____

『ちょっと、隠してないて教えてよ〜。』

少しもどかしい。
その10秒後。

『恋、しちゃった。』