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コメディ・ライト小説(新)
- Re: ___今、染まってしまえば、本当に成れそうで。 ( No.23 )
- 日時: 2020/05/17 19:46
- 名前: 真朱 (ID: 10J78vWC)
#20 「お気に入りなんだもん」
「紅雨?」
「へっ?」
突如声が被さる。
それにびっくりしたのか、ハイスピードで振り向いた。
「紅雨、ちょっとこの問題分からないんだけど。と言うか何見てんの?」
疑わしい目で見てくる彼女は、珍しく勉強熱心であった。
と言うのは、『新入生テスト』の対策をしているからである。
テストは4日後。国語、算数、理科、社会、英語…入試と同じように5教科らしいが量は少ないらしい。学校によると、内申点にも反映される_____と言う条件も付いており、生徒たちを苦しませる“関門”となっている。
「あ…これ?…小説。」
少し戸惑いを隠しながら言うと、彼女は攻めに入った。
「えぇ?誰の?」
好奇心が垣間見える。その瞳は、探求欲と疑問が混ぜられておりおっとりとした子供のようであった。
「…“赤城由良”先生の。」
「先、先生?巨匠とかなの?」
さらに彼女は迫ってきた。
少し暑苦しいが、そのままにしておくのも嫌である。
「いや、アマチュア。私が尊敬してるだけ。」
「ふぅん。」
何と言っても、赤城先生は小説サイトの中でも唯一たくさんの賞を受賞している作家である。_____アマチュアだが。
さらにその小説は、多くの人々の心を打つものでありたくさんのファンが付いている。
「勉強中にスマホ見るなんて…よっぽど自信あんだね。」
彼女の発言は、何か冷たいものを置いていった。
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