コメディ・ライト小説(新)
- Re: ___今、染まってしまえば、本当に成れそうで。 ( No.29 )
- 日時: 2020/05/22 17:43
- 名前: 真朱 (ID: jX/c7tjl)
#23 「祝うべき誕生日」
『ハッピーバースデー!!』
こんな言葉を叫ばれるのは、来月になるだろう。
何にしても、来月_____6月1日は『誕生日』と言うイベントがあるからだ…本当の誕生日ではないが。
本当の誕生日。
例えば春生まれだったり。例えば冬生まれだったり。実は早生まれかもしれない。もしかしたら紅新とは年齢が1歳違うかもしれない。そんな期待や疑問がアレコレ浮かび上がって飛んで行き、天井に跳ね返って空気中に漂う。
「私の本当の誕生日って、いつだろう。」
そんな疑問が頭を過ぎった。
本当の親の元で生まれ、本当の親の元で育った人間は本当の親の元で生まれた時が誕生日となる。けれども、本当の親と別れた場合_____誕生日は変わってしまう。つまり、本当の誕生日を知らないまま一生を終える…そんな事は嫌である。
私の周りの人々_____母様や姉様、紅新や陽和。皆、実母を持っている。それなのに私は_____
「ちょっといい?」
「いいけど。」
ドアがノックされると、ゆっくりドアノブが回された。暖かい色のドアが開かれると、現れたのは髪に水滴の付いた紅新。
「ちょっと話あるんけどいい?」
「話?」
その言葉は、私の感情を少しかき乱てた。
- Re: ___今、染まってしまえば、本当に成れそうで。 ( No.30 )
- 日時: 2020/05/22 13:38
- 名前: 真朱 (ID: jX/c7tjl)
今日、このスレッドを覗いてみたら、閲覧数が300超えてました!ありがとうございます!(*´ω`*)
- Re: ___今、染まってしまえば、本当に成れそうで。 ( No.31 )
- 日時: 2020/06/13 17:26
- 名前: 真朱 (ID: l1OKFeFD)
#24 「心して聞いてよ」
「なんでホットチョコレートがあるの?」
「それだけ重要な話なんよ。重要な話をする時は、ホットチョコレートを飲むでしょ?淹れといたから。」
「そっか。」
我が家では、『ホットチョコレート』を重要な話をする時に飲むものとされてきた。理由はよく分からないが、おそらく心が落ち着くだとか…そのようなものだろう。
「紅姉ちゃんの話だからね。」
彼女は台所で手を洗いながら口を開いた。
水しぶきが重なって、聞こえにくかったが私の耳の中にはしっかり行き届いている。
「進路とか?それとも、帰国するとか?」
「えぇと。私もあんま知らんけど、そう言う関連じゃない?…あ。もしかして恋したりしてぇ。」
「こ、恋!?」
まさか…あの恋愛下手の姉様が。
もしかして、外国の男はチョロいのだろうか?だとしたらもっとしっかりして欲しい…。
「あ〜、冗談だって。そこまで悩まんでもさぁ。」
「いや…ホントに彼氏とか出来てたらどうなるんだろって思っちゃってさ。」
「んな、彼氏できるわけ無いでしょ!あの恋愛下手姉貴なんだから。恋愛上手になって欲しいよ。」
彼女は少し溜息を交えていた。