コメディ・ライト小説(新)
- Re: ___今、染まってしまえば、本当に成れそうで。 ( No.32 )
- 日時: 2020/06/13 17:26
- 名前: 真朱 (ID: l1OKFeFD)
#25 「古いWi-Fiに脅かされ」
___________ガガッ。___________
「何だこれ。ネット回線変えればいいのに…。おかげでこっちも苦労大量で…。」
ネット回線が悪く、中々テレビ電話が繋がらない。わざわざ姉様が、テレビ電話をしようと言っているのにこの貴重な時間が、ネット回線によって簡単に押し潰されてしまうではないか…。
ネット回線が悪いのは、基本的に母様が原因を握っているとも言える。何せ、母様は朝から霊媒師として依頼に赴き深夜まで依頼主の元まで駆け巡っている。この生活が続いているからか、母様はスマホなどをプライベートの時間としては全く使わず今までWi-Fiを1度も変えてこなかった。しかし、これと言った不便は起こらない。つまり、この古いWi-Fiが日常生活を脅かすわけではない。が、残念な事に古いWi-Fiはテレビ電話にだけ実力を発揮する。それがあって、テレビ電話は上手く繋がらないのである。
「どうすんのこれ…。と言うか、さっきから英語の文章ばっか出て来てんけど。紅雨、これ何言ってるか分かんでしょよ。」
「えっ、また英語の解読させられんの?もう懲り懲りなんだけれども…。それに、難しい単語とかは読めないからね?」
「んなぁ、そんな事言わんでお願いーよ。紅雨は学年トップクラスの英語脳でしょ!ほらぁ、このとーり!」
彼女は手をパンッと合わせた。
そこからは、必死さも滲み出ているようで。
「わ…分かったよ。やればいいんでしょう。」
「本当ぉね?!さすが、ウチの紅雨。素晴らしかね…。」
一言発すると、一気に彼女が蘇る。
目は活気を取り戻していて、嬉しみも垣間見える。さすが…。紅新はいつまで経ってもチョロい子供である。
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「えーっと。これか…。」
私は早速、英文の解読を始めた。
文字がびっしり詰めてあり、気が遠くなりそうだが、ここでめげてはいけないであろう。私はそう考えると、黙々と英文を読み勧めた。
___________あ。___________
「紅雨ー。何か分かった?」
のびのびとくつろいでいる紅新を、私は鋭い目で見た。
「ちょ、紅雨!そんな怖い目してどーしたの?何かあったん?」
やはり…彼女は楽天家で間違いなかった。
何せ、その英文の内容はテレビ電話の利用規約に同意していない為エラーが発生したと言うだけの内容であったから。