コメディ・ライト小説(新)

Re: 君の赤い糸が僕と繋がっていますように 【短編集】 ( No.2 )
日時: 2020/05/19 17:35
名前: 雪林檎 ◆iPZ3/IklKM (ID: FCVTIPcN)

02.届かない想い

「はぁ!?」
俺はとある話に驚いて大声を出してしまう。
クラスメイトが大声を出した俺に注目する。
恥ずかしくなった半面、そのとある話とは那須川愛子の事だった。
「そう驚くなって、那須川の幼馴染のさ柳木先輩いるだろ?柳木先輩の事にいかにも恋している眼をしていたじゃんか。でも柳木先輩は同クラの小日向先輩と付き合ったんだってさ」
そう話す卓也に聞かれる。
「どう思う?この四角関係」
「べッ別にどうも思わないけ、ど」
動揺を隠すようにズレた眼鏡をかけなおした。



「那須川愛子」
俺は図書室で本を読んでいた女子に声を掛ける。
茶色だった髪はもう、漆黒に染まっていた。制服もきちんと着てノーメイクの顔。
目頭が薄っすらと赤く染まっていた……泣き跡。
(話は―――……本当か)
その話は本当だと俺は確信した。
「風紀委員長、、、私今日はもう校則なんて破ってないけどどうしてくるのよ」
突っかかった口調にイラっとしながらも俺は我慢する。
「お前が失恋したと聞いてやってきた」
すると予想通り「はぁ?」と怪訝そうに眉をひそめる。
「失恋じゃない、、、決意よ。諦めが悪いかもしれないけど私のほうが智くんに尽くしてきたからこのままじゃ終われないの」
ピシッと心が痛む。
(どうしてお前はアイツばかりなんだ)
「尽くしてきただの私のほうがずっと近く傍にいただの言って下心を隠しているから。攻めないから、、、簡単に最後にとられるんだ。お前の好きなやつにとって那須川はただの幼馴染とでしか認識されなかったってことだよ」
(あれほど好きだった奴を簡単にとられてどうするんだ)
彼女を笑顔にしたい――――だから勇気づけてしまう。
アイツに対するその一途さが俺に向いてくれたら俺がたっぷりと愛して恋してあげるのに。
「……そっか。私、、、尽くしてきたって言ったけど本当はその関係に甘えてた。好きだって言いだすのが怖かった」
涙をこらえてフッと微笑む。

「気づかせてくれてありがと、伏見」

 とくん。
頬に熱が集まるのが判る。
鼓動が早まる、全身が熱くなる。
「ああ。」
愛おしい。

その笑顔を独り占めしたい。

いいな、アイツはこんな那須川に愛されて恋されていて気づかないアイツが憎らしい。
「早速アタックしてくる!」
と言い放ち図書室を出て行った。

「今は、ただのアドバイス役としていてやるよ」

もしフラれたら俺がその隙間に入り込む。
汚いやり方かもしれないけど尻尾を隠して傍で見続ける。
その瞬間を待ち続ける。