コメディ・ライト小説(新)

Re: 蟲のさざめき ( No.6 )
日時: 2020/07/12 11:55
名前: 魁 天癒 (ID: v2BiiJyf)

episode5 男になるべき子

ん…ん……?
ここはどこ?寒い……
そうだ、お母さんたちにいっぱい…殴られて…蹴られて…
気持ち悪いとこ触ったり見られたり……
少女は、虐待の末気絶している間に親に見知らぬ場所に連れて行かれた。
そして置いていかれたようだ。
痣や傷だらけだ。歩く気力もない。
あぁ…私…ここで死ぬんだなぁ……やっと楽になれるのかな…
涙が傷にしみる。
つまら…ない…人生でした…

少女は11年前、ある家に一人っ子として生まれた。
名前は海斗かいと
女の子なのに海斗。両親は男の子を生んで、仕事を継がせようとした。が、女の子だったため、「こいつは男として生かせよう。」と決めた。
しかし、海斗はあまりにも女の子らしかった。
好きな色はピンクで、よくぬいぐるみを買ってほしいとおねだりをし、男の子に恋もしていた。
それに両親はとても腹がたった。
なので、女の子らしいものは全て取り上げた。海斗が泣きじゃくれば、髪をつかんで
「っせぇ!!おめぇは男なんだよ!そんなんで泣くな!強い男になるんだおめぇは!」
と怒鳴る。
さらに、女の子でいることを嫌にならせるために、海斗に性的虐待も犯した。
そしてさらに虐待はエスカレート。海斗は女の子でいることはもちろん、生きていることが嫌になった。

「海斗。今日からあんたは男の子よ。よかったわねぇ。」
海斗はついに無理矢理男の子にされた。
なにしろ、継がせるといっていた両親の職業は銀行強盗なのだ。だから金ならいくらでも持っているため、手術費なんてたいしたことなかった。
そうして海斗は体は男の子になった。
なのに、虐待が続いた。
もう…いいでしょ…
そして1年たったある日。
「もうこの子必要ないわね。」
「うん。いて俺らが虐待してんのバレたほうが厄介だしな。」
そして今に至るわけだ。

だから今は少女というよりは少年だ。
少年はゆっくり目を閉じた。