コメディ・ライト小説(新)
- Re: カオスヘッドな僕ら ( No.6 )
- 日時: 2020/07/22 17:04
- 名前: むう (ID: 9Yth0wr6)
女の子は結構可愛かった。
茶色の髪は肩までの長さで、くせ毛なのか先端が内側にカールしている。
しかしながら、『カワイイ』と言う表現はどうやら違ったようだ。
「ナイストゥミーチューってことで初めましてッ」
「は?」
「アルジ様がいくら可愛いからといって舐めんなよ人間」
「は?」
「ってかお前『は?』ばっかり言ってんじゃねーよワオ!」
なんだこいつ。うるさいわ馬鹿。うるさいを通り越して胡散臭いわ。
最近の中学生女子ってこういうキャラが受けるのだろうか。
分からん。最近の女子のトレンドが全く分からん。
「………あんた、さては紗明やろ。なんでこんな女の子に憑依しとんねん」
「……ああん? お前まさかクコか? ハッ、奇遇だな運命!」
僕を挟んで、クコと紗明と言われた女の子(?)が会話を始める。
だがその内容は、僕には丸っきり分かんなかった。
憑依? なんのこっちゃ。
あなた頭おかしいんですか?
という意味のクコなりのジョークなんだろうか。上手いこと言うな。
「運命? そんなもんいらん。うちはあんたの顔も見とうないんやで」
「ハッ。マジかよ嫌われちゃってる。アイムサッドで俺悲しい」
「………ほんまに口が減らんようやな」
「口? 口へったらモノ食べれんじゃんうーわアイムハングリー」
もう我慢できない。
そう思った僕は、紗明に憎まれ口をたたきまくるクコの腕を引っ張って距離を取らせると、彼女に耳打ちをする。
「何なの、お前アイツの知り合いなの?」
「………別に、ただ天界では一緒に釜の飯を食べた仲や」
「お前何時代の人間だよっ!? あ、飛鳥時代か」
「だから知り合いと言うのとはちゃう」
「それを知り合いって言うんだよこっちでは!!」
あー、頭いたい。
「紗明の本性は死神。今は宿主に憑依中。こう見るともうロリコンの極みや」
「はぁ……」
「なあ百木くん、あんな変人とは付き合わん方がいいで!」
そう言いきり、クコは振り返って紗明(死神?)をキッと睨む。
そして、右手を握りこぶしにすると、そのまま拳を彼女(彼?)の腹に向け――。
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょと待ったぁぁぁぁぁ!」
「あんたは一遍死んどき――――――――!!」
僕の制止を振り切って、クコは突進する。
その拳が紗明の腹にめり込む。
彼は「グェッ アイムバットEND」と変なセリフを口走って、空中で一回転。
大の字になって伸びてしまった。
「ほら、姿見せてみい!」
クコは阿修羅の顔で、紗明の前に仁王立ちをした。