コメディ・ライト小説(新)

第十二話 ゴーレム作成3 ( No.13 )
日時: 2020/08/26 23:38
名前: あお (ID: ikU4u6US)

「な、何故、嬉しそうなのですか?魔獣暴走スタンピード は災害。慌てこそすれ、喜ぶ要素など──」

 「バッカ! お前、この状況を喜ばないでどうする⁉ ゴーレム倒してコア集めようって時に、向こうから来てくれたんだぜ! さぁ、狩りの時間だぁ! ヒャッホーゥ‼」

 ゲーム内でも、 魔獣暴走スタンピード は災害扱いだが、それはドロップアイテムを巡ってプレイヤー間の戦争が勃発したから。プレイヤーのいないここでは魔獣暴走スタンピードなど、ただのボーナスタイムでしかない!

 「いや、さすがにこれは……。」

 「無理っぽいのだー。」

 「ククッ、血が滾る。」

 「…………無理。」

 ……情けないヤツらめ。まぁ、良い。怖気づくならこっちにも考えがある。

 「……お前ら、やれ。」

 命令と共に俺から、黒いオーラが流れ出す。そう、これは日々、魔族バカども に悩まされている俺の恨みの念。殺気とも言えるこのオーラを流しながらの命令は、ほとんど強制みたいなものである。

 「ウグッ……。わかりました。」

 「凄まじき闇の念……。」

 「魔王様怖いのだ……。リーチェ、頑張るから許してほしいのだ。」

 「…………コクコク。」

 ……ちょっとやりすぎたか。日々、恨みの念が溜まってるからな。傍から見たらそれは凄まじいんだろう。今度、どっかでリフレッシュしよ。

 あ、ゴーレムすぐそこまで来てる。

 「ウゥゥゥゥゥゥゥゥ‼」

 「あ、後、コア 傷つけると困るから、スキル禁止な。」

 「「「「え゛」」」」

 「じゃ、レッツゴー!」

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 スキルを使わずに戦うように言ったため、四天王も大分苦戦している。

 「ぐっ!」

 「うわ! し、死んじゃうのだぁー。」

 「冥府の門が見える……。」

 「…………ッ!」

 が、皆の苦労のお陰で、コア は大量に集まってる。

 「も、もうコアは十分なのでは…… 。」

 「まぁ、確かに、これで十分かね。じゃ、スキル解禁で。コアごと吹き飛ばしていいぞ。」
 
 「や、やった! 『竜化ドラガオン 』!」

 早速、竜化したクロは今までの憂さ晴らしとばかりに特大の咆哮ブレスを放つ。あ、地形変わった。撃つ方向考えてるのかな、アイツ。

 他のヤツらも俺の言葉を聞きスキルを使い始める。

 「『黒死泥沼ドラウグル・モーア 』」

 「『獅子王咆哮バロン・ローア 』」

 「『大森林根縛ヴィーザル・ハイス 』」

 四天王達のスキルの連発で辺りは凄まじいことになってる。

 あるところは真っ黒の泥沼ができ、周囲の岩が『腐っている』。

 またあるところでは竜巻が横向きに吹いたような跡ができ、ねじ切れたゴーレムがあちこちに散らばっている。

 さらにあそこでは文字通り『森』ができている。説明しようにも何も見えない。なんか根っこっぽいのがうねうね動いてる。ホラーかよ。

 ……これだけ大惨事になったのに、まだゴーレムが残っている。つまり、『アレ』が出現してる可能性が高い。

 「面倒な……。」