コメディ・ライト小説(新)

第十六話 VSゴーレム ( No.17 )
日時: 2020/08/29 01:32
名前: あお (ID: ikU4u6US)

「──っ! 『死天使加護サマエル・グラシア 』!」

 見慣れない銃による攻撃に、ガオンは驚きながらもスキルを発動し、防御しようとする。

 ガオンの使った、『死天使加護サマエル・グラシア』によって放たれた黒い靄に触れたものは、あっという間に朽ちていく。

 勿論弾丸も例外では無く、何発かかすったものの、ほとんどは靄に触れて防御された。

 「……ダメージを確認できません。『戦神魂アレス・ジール 』、発動。」

 『戦神魂アレス・ジール』 を発動すると、ゴーレムの体から、赤い光が漏れ出し大量の魔力が放出された。

 「こ、これは⁉」

 「説明しよう! 『戦神魂アレス・ジール 』とは、体内ではなく体外、つまり、周囲の生物から魔力を吸収し、自らの魔力源とする、チートスキルなのだ!」

 いやー、一回やってみたかったんだよ、こういう解説役。やっぱ、制作サイドとしては、説明する義務があると思うんだよな! なんて、だれかに言い訳してみたり……。

 「ちょ、何ブツブツ言ってるんですか⁉」

 「ん?なんだよ、クロ。」

 「いや、さっき『周囲の生物から魔力を吸収』って言ってましたけど、本当なんですか⁉」

 「そうだよ。内臓とかが無いゴーレムだからこそできる荒技だけどな。」

 「それが本当なら、えらいことになりすよ!」

 「確かに……。お前らこのことは内緒な。」

 「多分、そういう軽い感じで言っていいことではない、と思うのだ。」

 「…………(コクコク)。」

 「……多分、魔族達にバレたところで、アイツらに使い道、思い浮かばないだろ。バカだし。」

 「否定できないのが、悲しい所ですね。」

 「うぉぉぉ! な、何だこれは⁉ 死ぬ! 冥府の門が見えるー!」

 俺達が話してる間、ガオンは必死で逃げ回ってる。『戦神魂アレス・ジール』を使うと、魔力は勿論、攻撃力、防御力などの全ステータスが跳ね上がるからな。まぁ、結構無茶なことしてるから、長時間は持たないのが欠点だけど。

 出力が足りないと判断したのか、ゴーレムはさらにユニットを展開し、スキルを発動する。

 「『全門砲射フルバースト 』」

 数えきれない程の機銃が出現し、弾丸の雨がガオンに襲い掛かる。

 「し、死ぬー‼」

 余りの量に迎撃を諦め、必死に避けるガオン。どこまで持つかな☆(外道)

 「アンデッドが『死ぬ』って言うと、説得力ありますねー。」

 「何か、もう、どうにでもなれって感じなのだ……。」

 「…………。」

 「おーい、君達、何で無表情なのかな?悟りでも開いたようなオーラ出してるけど。」

 「うぁぁぁぁぁぁ‼」

 澄み切った青空に、哀れな犠牲者の叫びが響き渡った……。

 「いい感じにまとめてないで、助けてくれー‼」