コメディ・ライト小説(新)

第十七話 魔王の仕事 ( No.18 )
日時: 2020/08/30 11:25
名前: あお (ID: ikU4u6US)

「なぁ、魔王の仕事って何なの?」

 ゴーレムを作り、各地に配置し終わった俺は暇だった。ひたすらに暇だった。

 魔族はバカだから、デスクワークなんてものは存在しないし(書類を書く知能が無いから)、自給自足の生活を送ってるようだから、食料問題なども起きないし。

 つまり、暇。仕事が無いもんだから、四天王にオセロ教えて遊んでる。魔王だよ俺? 一応、王様なんだよ? あ、角取った。

 「うーん、魔王様、角取るの上手すぎです。……って、あぁ、魔王としての仕事ですか? うーん……。」

 「…………魔王軍の『作成』と指揮。」

 「作成?」

 「あぁ、そうでした! 魔王様には魔獣を作り、魔王軍として使役してもらうという使命があるのですよ!」

 「は?ま、待てよ。俺、魔獣なんて作れないぞ?」

 「…………専用の魔道具を使う。」

 「へぇー、そんなのあるんだ。」

 「えぇ、そうでした! 大量の魔力を消費するのですが、魔王様なら大丈夫でしょう。」

 「マジか! 早く、やろうぜソレ! 暇だし。」

 「では、こちらに。」

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 「これが魔獣を作る魔道具『原初母ガイア 』です。」

 それは一言で言うなら、でかい結晶だった。十メートルはありそうな結晶に管や何かの部品がくっついている。

 「これ、どうすりゃいいの?」

 「作りたい魔獣をイメージしながら、結晶に触れるだけですよ。」

 「え……。そんな簡単に作れんなら、ゴーレム作んなくてもこれ使えば良かったんじゃね?」

 「…………魔獣は知能が低いから、ゴーレムの代わりにはできない。」

 「へー。」

 「まぁ、とにかく、やってみてはいかがです?」

 「おう! じゃ、いくぜー。」

 俺は作りたい魔獣をイメージして、結晶に触れる。