コメディ・ライト小説(新)

第十八話 とりあず、クロは処刑だ☆ ( No.19 )
日時: 2020/08/30 11:26
名前: あお (ID: ikU4u6US)

俺が結晶に触れると、結晶が光りだした。

 「おぉ! すごいな、コレ。」

 光はドンドンと強くなり、溢れ出る光は、何かを形作るかのように集まっていく。

 そして、光は収まり、そこには数匹の竜ドラゴンがいた。

 四メートル程の体に銀色の鱗、俺のイメージ通りに出来ている。

 「おぉ! 素晴らしい!」

 「…………すごい。」

 二人は目を見開き、驚きを見せる。

 「そんなにすごいのか、コレ。」

 「えぇ、普通なら魔力を根こそぎ吸われて『死ぬ』っていうのに、こんな見事な魔獣を作り出せるなんて素晴らしいの一言よ。」

 無口なシアが珍しく、長文を口に出した──

 「って、これ、普通なら、死んでたのかよ!」

 「…………えぇ。」

 「ヲイ、クロ……?」

 「あ、あぁー、……魔王様ならできるって信じてましたから!」

 「よし、死ぬ覚悟はできてるな。」

 「うぁ、ちょ、それは無理です! そんなの受けたら、塵も残りませんか──」

 「問答無用ーーーーー‼」

 「うぁぁぁぁぁぁぁ!」

 ----------

 クロの処刑を終えた俺は、魔獣作りに勤しんでいる。死ぬかもとか言われたし、あんまりやりたくはないんだけど、人族がいつ攻めてくるかわからないとのことだったので、仕方なくやってる。

 人族と争いたくはないが、向こうがかかってくるというなら、降りかかった火の粉ははらうまで。俺は平和主義者だが、何かされて黙ってみてる程優しいわけではないのだ。

 「うぉぉぉ、そろそろ死ぬって、コレ。魔力切れそう。」

 「…………もうやめたら。」

 「うーん、じゃあ、これで終わりで!」

 俺は最後とばかりに、結晶に大量の魔力を『注ぎ込む』。なんか、魔力吸われすぎて、魔力の操作みたいなものができるようになったんだよね。でも、こんなこと出来ても、何かの役に立つ──

 「だ、ダメです! 『原初母ガイア』は、触れるでけで良いのです! 魔力を注ぎ込むと誤作動を──」

 「え、それを早く……。」

 急に俺の視界が暗くなる。何かに沈み込んでいくような感覚を覚え、意識が飲み込まれて…………。