コメディ・ライト小説(新)

第二十八話 魔族との協力 ( No.29 )
日時: 2020/09/06 20:58
名前: あお (ID: ikU4u6US)

 今、俺達はレールの設置をしている。魔族達にも協力してもらい、魔族領中に鉄道が走れるように、レールを敷いているのだ。 

 「それはそこに置いて、その機械を隣に置いて。……そうそうそんな感じ!」

 「ここはどうすんだー?」

 「あぁ、ちょっと待って。今行くから。」

 魔族達も物珍しさからか、珍しく喧嘩にもならず協力している。

 「だから、ここに置くって言ってたべ!」

 「違う、こっちだったぜ! 耳腐ってんのかテメェは!」

 「何を!」
 
 「やんのか?」

 「やるな、お前らは!」
 
 ……訂正だな。喧嘩は少ない。

 まぁ、でもコイツらと仕事すんのも、思っていたより悪くは無かった。

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 「よし、このあたりで休憩挟むぞ。」

 きりの良いところまで作業が進んだので、休憩をさせることした。協力してもらっているし、休憩ぐらいはキチンと取らせないとな。

 「魔王様ー。俺達、まだいけますぜ。」

 「いや、休んでおけ。体壊したら面倒だろ。」

 「……魔王様って変わり者ですね。」

 「そうか?」

 「えぇ。普通なら死ぬまで働け、とか言うもんですけどね。」

 「何だ、その魔王みたいなやつ……。」

 「いや、魔王ですから。」

 「む、そうだった……。でも、こういうのも悪くないだろ?」

 「そうですねー。」

 ~side魔族~

 俺達は今、魔王様の『てつどう』作りに協力している。思えば新しい魔王様は控えめに言って『変人』だった。

 試合で圧倒的な力を見せて勝ったと思えば、方針は世界平和などと訳の分からないことを言う。

 恐ろしく強いゴーレムを作ったと思えば、『ほうりつ』とかいうよく分からないものを守らせるために使う。あれ程強いゴーレムを作れるなら人族と戦ったって勝てるだろうに、「人族とは戦わない」と言う。

 挙句の果てに『てつどう』とかいうよく分からないものを造るために、俺達を説得して回っていた。魔王として命令すれば逆らうヤツなどいないのに。全くもって訳がわからない。

 ……が、悪くはないと思う。「腑抜けたヤツ」とか言ってるのもいるが、そういうヤツは、大体が頭の凝り固まったジジイやババア。俺達みたいな若者にとっては「戦いが全て!」とか言ってた頃よりも全然面白い。

 「おーい! そろそろ仕事に戻ってくれー!」

 「わかった! 今行く!」

 あの魔王についていけば退屈はしない。それで十分、従う理由になるのだ。