コメディ・ライト小説(新)

第三十話 後は、任せた☆ ( No.31 )
日時: 2020/09/09 14:53
名前: あお (ID: ikU4u6US)

 「な、ここは魔王城ですよ⁉ 宴会などに使ってしまえば、魔王様の品位が……。」

 「良いの、良いの。俺の評判なんか、平和主義掲げてる時点であってないようなもんだろ?」

 「そ、それは……。」

 「じゃ、ゴーレム達が料理運んでくるから、好きに食えーー!」

 魔族達は最初は困惑顔だったが、ゴーレムが料理を運んでくると、食欲には勝てずバクバクと食い始める。

 「うんうん、頑張って料理作った甲斐があるってもんだ!」

 「この料理、魔王様が作ったのだー?」

 「おう! スキルで身体強化して、超高速で作ったんだぜ?もちろん味に妥協は一切無しだ!」

 「王よ、何故そんなこだわりを……。」

 「…………美味しい。」

 「あ、シア! ここは魔王城なのだから、もっと慎みをもってだな……。」

 「ま、良いだろ! だいたいいつもは『戦いが全て』とか言ってるんだから、こんなことぐらい見逃せって。」

 「しかし……。」

 「良いから、お前も楽しめ! 魔王としての命令だ!」

 「……わかりました。」

 「よし! じゃ、まずはこの料理から……。」

 
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 「さーて、どうすっかなー。この片付け。」

 俺の目の前には空の皿やコップが大量に散らばっている。

 「楽しそうだから」という適当な理由で宴会をしてみたのだが、片付けのことまでは考えていなかった。

 「……これは、大変ですねー。」

 クロもこの惨状を目にし、顔を引きつらせている。

 そんなクロの顔を眺めていると、素晴らしい案を思いついた。

 「クロ、俺に良い考えがあるんだ。」

 「何です?」

 「俺、用事あるから、後は任せた!」

 「へ⁉ って、ちょ、速っ!」

 俺はクロに全てを託し、魔王城を去った。ふっ、クロ、お前ならできるとしんじてるぜ☆

 「あんた、逃げただけでしょうがぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」