コメディ・ライト小説(新)

第三十一話 人間と歩み寄る第一歩 ( No.32 )
日時: 2020/09/10 19:56
名前: あお (ID: ikU4u6US)

 「教育だ!」

 「……どうしたんです、急に。」

 「教育だよ! 魔族達おまえらに足りないのは教育だ!」

 そう、考えてみれば当たり前のことだった。バカに足りないのは教育、教育が足りないのがバカなんだ! (悟り)

 「学校なんて魔族には無いんだろ?」

 「そうですね……。まぁ、必要無いですし。」

 「あるんだよ! お前らのバカさで、俺の、ストレスゲージは、振り切れとるんじゃぁぁぁぁぁぁ‼」

 「これは重症なのだ……。」

 「いつの間に、ここまで拗らせたのでしょう。」

 「と、に、か、く、学校を、作るぞーー!」

 「「おー。(棒読み)」」

 
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 俺は例のごとく四天王達を集め、『学校』を作ろうと呼び掛けた。(命令)

 「…………学校か。」

 「ふむ……。だが王よ、それにはいささか問題があるぞ。」

 「問題?」

 「教師だ。魔族に、教師となれるほど知能が高い個体が、存在するとは思えない。」

 「あー、それは解決済みだ。」

 「ほう?」

 「人間の奴隷を連れてこようと思う。」

 「「「「人間⁉」」」」

 「あぁ。ゆくゆくは人族と不可侵条約を結びたいと思ってるし、その第一歩として魔族に人間を受け入れてもらおうと思ってな。」

 「しかし……、それはあまりにも無茶ですよ……。」

 「…………魔族と人族との因縁は深い。いくら何でも無理がある。」

 「そいつはどうかな?」

 「「「「へ?」」」」

 「千人だ。……千人以上が学校を作り、そこに人間の教師を入れることに賛成している。」

 「い、一体どうやってその数の魔族達と……。」

 「鉄道造ったときに知り合ったヤツらがいてな、そいつらの知り合いから、さらにその知り合いへとどんどん話を広めていって、この数の賛成が集まったってわけ。」

 「……むー。だけど、皆が皆賛成ってわけじゃないのだー?」

 「そこは、まぁ、ゴリ押しで何とか?あ、一応来てもらった人間には、俺が責任を持って護衛につくつもりだぜ?」

 「……安定の理不尽だな。」

 「うるさいよ、ガオン。」

 「しかし、その人間の奴隷はどうやって集めるのです?」

 「そりゃあ、俺が人族の領地行って集めてくるけど?」

 俺は何喰わぬ顔をしてクロの問いに答える。

 「だ、ダメに決まってるじゃないですか! あなたは人族の宿敵である魔王なんですよ⁉ それを白昼堂々と人族の領地で活動など危険すぎます!」

 「いやー、いけるって! 俺、一応種族は人間だしさ!」

 「……ダメ。危険。」

 「危ないのだー。」

 「王よ、浅慮が過ぎると言わざるを得ない。」

 むむむ……。思ったより反発されたな……。仕方無い、強硬手段にでるか……。

 「『睡眠スリープ』」

 俺のスキルで四天王達は抵抗する間も無く崩れ落ちる。

 「悪いな……。さすがに魔族のバカさはシャレにならないんだよ。」

 俺は用意しておいた置手紙を置き、魔王城を去る。

 「さて、行きますか!」