コメディ・ライト小説(新)

第三十七話 魔族の危機 ( No.38 )
日時: 2020/09/18 19:14
名前: あお (ID: ikU4u6US)

 「これで確認は終わりだ。悪いな、長々と付き合わせちまって」

 「いや、構わない」

 ゴウルさんの質問が終わるとギルドの職員がやってきた。

 「素材の査定と買取金の用意が終わりました」

 そう言って職員の人は、机の上にいくつかの袋を置いた。

 「あぁ、おつかれさん。……で、これが素材の代金だ」

 俺は頷き、袋をバックにしまった。

 「ちなみに、お前さんはこれからどうするんだい?」

 「そうだな……。金も集まったし、故郷に帰るさ」

 「そうなのか? 良い儲け話があるんだけどな……」

 「儲け話?」

 「あぁ、何でもローレンツ神聖王国が魔族の殲滅をしようと動き出していてな。腕に自信のあつヤツを集めてるんだとさ」
 
 「魔族の……殲滅⁉」

 「そうだぜ。勇者召喚までやったって話だし、あの国も本気で魔族を潰す気だぜ」

 「…………そうか」

 「どうしたんだい、兄ちゃん。顔色悪いぜ?」

 「もう用は終わっただろ? 帰らせてもらう」

 「あ、あぁ……」

 
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 俺はゴウルさんの言っていた、魔族の殲滅について調べることにした。

 そして調べ始めてから約三十分が経った。
 
 ……結論から言うと、ゴウルさんの言っていたことは正しかった。ローレンツ神聖王国という国が、魔族を倒すために強者を集めているらしい。

 いや、それはまだ良い。俺の作った魔獣達や四天王もいる。だが……問題は勇者だ。

 勇者召喚によって呼び出された勇者。アイツだけはダメだった。

 だって、アイツは……元の世界での知り合い、鳴月なつき 莉奈りな

 『彼女』を、ベルを失った俺に寄り添ってくれた恩人なのだから……。