コメディ・ライト小説(新)

第六話 竜の本気 ( No.7 )
日時: 2020/08/24 17:53
名前: あお (ID: ikU4u6US)

「本気、ねぇ……。」

 「──っ『竜化ドラガオン 』!」

 スキルを発動させた邪竜くんは人型から竜本来の姿へと戻っていく。

 「ほー。」

 「グォォォォォーーーー‼」
  
 完全に竜へと戻った邪竜くんは口を開け──

 「『咆哮ブレス 』か。」

 刹那、その口から紫色の閃光が迸る。その光は魔力を凝縮させた破壊の権化。圧倒的速度と破壊力を持ったソレは、いかなる魔法障壁でも防ぎきれないだろう。

 まぁ、だからどうしたという話なのだが。

 「『フェイルノート 』」

 俺の手から放たれるのは一本の光の矢。その矢は邪竜くんの咆哮ブレス を巻き込み、咆哮ブレス ごと相手へ突き刺さる。

 ……見た感じダメージは結構受けてるけど、死んでは無さそうだな。

 「お前らは戦わないのか?」

 とりあず、傍観していた残りの二人に問いかける。

 「…………別にいい。」

 「ククッ、我は封印を受けている身でな……。戦うのは少々面倒だ。」

 えー、お前ら何のために出てきたんだよ?

 「で、獣人──リーチェはどうすんだ?」

 「うーん、リーチェももう良いのだ。あんたには勝て無さそうなのだ。」

 うーん、実力が見たかったがしゃあないか。無理強いする事でもないし。

 そして、コイツらが降参ってことは……、

 「ってことは、俺が魔王で良いってことかな?」

 観客席を見渡すと、皆目を逸らして黙り込む。沈黙は肯定ってことだぜ?

  「さーて、とりあえず何すっかなー。」


 ~二時間後~

 俺の目の前には四天王がキッチリと立っている。一応、俺のことを王として認めたらしい。

 ちなみに邪神とやらにはまだ会えてない。空気アイツ曰く、魔王として貢献すれば会えるのではと勝手なことを言っていた。めっちゃ面倒だが、俺はまだ死にたくない。

 まぁ、これは俺の推測なのだが、召喚されたとき「汝、平和を望むか?」とかいう声が聞こえたし、邪神も好戦的な魔族バカどもを何とかして欲しいのだろう。そうじゃなきゃ争いに疲れた俺を呼ぶ理由も無いし。もっと強くて好戦的なヤツならサタナス内にもいた筈なのだ。
 
 この二時間ぐらいで、コイツらから人間と魔族について聞いた結果、『平和』という方針にすることにした。ちなみに具体的ではないのは魔族の知能レベルに合わせているからだ。

 「さて、繰り返すが俺の目標は『平和』だ。分かったか?」

 「……はい。」

 「ククッ……。」

 「…………。」

 「分かったのだー。」

 そんでもって、とりあえずの目標は『人間と魔族との間の不可侵条約』だ。ただ、問題はコイツらが納得するかどうかだが……、

 「じゃ、そういうわけでこれからは人間とも仲良く……とまではいかなくても不可侵条約ぐらいは結びたいんだが──」

 「魔王様!実はそろそろ、即位の儀式が始まります。」

 「へー、そんなんあるんだ。ちなみにそこで何すんの?」

 「はい! 人間の王女を捕えてあるので邪神様への生贄に捧げ──」

 「ちょっと待て! お前俺の話聞いてたか?」

 「え? まぁ……。」

 「嘘つけぇ! 聞いてたら絶対そんなこと平然と言わねーよ! 俺、人間とは平和にって言ったよな?お前頭のネジはずれてんじゃねーの⁉」

 「し、しかし──」

 「言い訳無用! その王女は丁重に送り返し……、いやお前らじゃ無理そうだな。俺がやるか。」