コメディ・ライト小説(新)

Re: ☆✳︎魔法学園✳︎☆ ( No.12 )
日時: 2021/06/27 16:34
名前: 雪見餅 (ID: 0LEStScZ)

【10話 ただの怪物】


「ん.....あれ?.....私確か.....」
「あっ、起きた?えーと、名前は....?」
「私は神風かみかぜ 魔音まいんって言います......。それよりもここは一体何処ですか.....?」
「魔音ちゃん、宜しく!ここは中央魔法学園女子寮だよ。魔音ちゃんはどうして禁書庫にいたの.....?」

魔音が首を傾げて記憶を確かめる。
禁書庫という言葉に聞き覚えがあった様だ。

「えっと、自分で封印したの。もう暴れない様に......。」
「自分で.....?何で.....?封印魔法は確か出来るけど.....。だよね?」
「うん。紫音ちゃんあってるよ。」
「何で封印を解いたの......?何で......?」
「僕達は学園に突然現れた怪物について調べてるんだ。結局正体も分からないからさ。」

紫音が疑問を混ぜながらそう告げた。
魔音が下を向きこう告げた。

「その怪物は、魔人族だと思います......。」
「い、一旦男子寮に行こう.....。紫音ちゃん!幻覚を!」
「あいさー!」

男子寮に行き、響夜と友哉を呼んで来る。
そしてそこまでの事情を説明する。

「魔人族.....詳しく聞かせて貰えますか...?」
「.......はい。魔人族は異界から来た生物です。人間を襲います。主に戦いに積極的ですね。まぁたまに穏便派も居るんですけども。」
「成程.....。でも、何故その情報を知っているんだ?神風さん、貴女魔人族ではありませんか?」
「なっ...!怪物なのか?やっても良いのか?響夜!」
「......はい。私は魔人族です。お父様に言われて、この世界に来ました。そして、人間を殺せとの命令も受けています。」

少し警戒をする。
紫音がちょっと険しい顔で睨む。

「でも、だからって私達が殺すのは......!」
「うん。僕もそう思うよ。それに、正直に情報を話してくれたんだもん。見返りをあげなきゃ。」
「っやめて下さい!私は死にたいんです.....!もうこんな世界うんざりなんです......」
「だったら、どんな世界なら生きて行けるの?」
「........え?」

涙を浮かべる魔音に、単純な疑問をぶつけて来た。
滴紅が首を傾げる。

「私は.....争いの無い世界が続けば良いって思ってたんです......でも、そんな世界なんてないんです!.......」
「じゃあ、作れば良いじゃん!私達が支えてあげるから!」
「僕達は能力を持ってるんです。その能力で争いの無い世界を作る為の補助くらいなら出来ます。」
「おう!響夜の言う通りだぜ。あ、そういえば俺の能力は「暴食」って言ってな。触れたものを任意で単純なエネルギーにするんだぜ!」

そういえば友哉は能力を明かしていなかった。
色々あって気にもしなかった。

「ぐす.......分かった.......こんな世界を変えよう.......!」

そうして、この世界を改革しようと決意したのだった。