コメディ・ライト小説(新)

Re: ☆✳︎魔法学園✳︎☆ ( No.13 )
日時: 2021/06/27 16:35
名前: 雪見餅 (ID: 0LEStScZ)

【11話 いかないで】


『お父様、何故私達は人を襲わねばならないのですか?』
『我々魔人族は、魔人の為にも、邪魔をする人を殺さねばならぬのだ。』

お父様は笑顔でそう言っていた。
私にとってお父様は全てだった。
だから私も、人を殺す事には賛同していた。

『お父様!邪魔な人間が侵入して来ました!』
『そんな事などどうでもいい......。早く、早く奴等人間を滅ぼさねば......。』

その時はお父様がとても怖い存在に見えて、お父様の帰りだけをただひたすらに待ってた。
でも、お父様は返り血を浴びて帰って来て、人間を殺す事しか考えて無かった。
狂気。
お父様が怖くなった。
私の全てだったお父様に裏切られた気がして、怖くなった。

『お母様、何故私達は人を襲わねばならないのですか......。』
『人を襲う理由なんて、無いに決まっているわ。此方が一方的に仕掛けて、争いを正当化しようとしているだけ。上の魔人は、全く何をしているのかしら.......。』

私は戦争派と穏便派の間に板挟みになっていたのだ。
私はお母様に寄り添った。
お母様は優しかったけど、酒を飲むと暴力を振るって来てとても痛くて怖い思いをした。
また裏切られた。
お父様もお母様も狂気に溺れた。
皆私を置いてかないで.......



いかないで........。





だから私は異界に飛び降りて、人に縋ろうとした。
勿論、最初は敵視されたけど、最後は皆信用してくれた。
でも、私がいつ狂気に溺れて暴走してしまうか分からなかったから、秘密の本が集まる禁書庫に自分を封印したんだ。