コメディ・ライト小説(新)
- Re: ✭星屑の華✭ ( No.2 )
- 日時: 2020/10/25 14:10
- 名前: 夜明 (ID: hZy3zJjJ)
#1 「忌み嫌われた1つの族」
「北アメリカ州だのユーラシア大陸だの_____『地理は嫌いだ!』…なんて人も居ると思うけれど、今回の授業だけは必ず聞いて下さい。今日の授業で習う事は、これからに必要になって来る知識ですので。」
ガッ
…またチョークで黒板を叩いた。
___大木先生は、何故あそこまでチョークで黒板を叩きたがるのだろうか。
いや、そんな事は今どうでもいい。
大事なのは、今から話す内容だろう。
大木先生_____社会教師の『大木 由実』は、普段から温厚であり、顧問として担当している女子バレー部の生徒にも、手取り足取り教えているのだが、今日は今までとは違い、冷静さが出ている気がする。_____さすがにいきなり冷静になられるのは驚くのだが…。
5月下旬。
桜は既に散ってしまったが、青々と若葉が茂り、瑞々しい春がやって来ている。学校によっては体育祭が巡ってくる月でもあり、レジャー日和でもあるのだ。私だってレジャーをしたくなる季節だが…何より学生の日常は忙しい。部活も始まっており、テストだって近い。小学生の頃はもっと余裕があったのだが。
…そこはさておき、今を極端に表せば、まだまだ進学したて…と言う所であろう。そんな初々しい時期に妙で重そうな話を話すとは。こっちだってまだ忙しいのに…。
「皆さんはニュースで『両族の国際関係』について見たことがあるでしょう。…両族と言うのは『人類』と『魔族』。もちろん、両属の関係は劣悪。近年では、両族の境界線に立ち入る事は厳しく禁じられています。」
______________…魔族。
魔族。
確かニュースで見た所、魔術を操ったり空を飛んだり_______人間が出来ない事が出来るんだとか。簡単に人類と魔族の違いを言うとしたら、人類は『科学力』、魔族は『魔術』を持っていると言う事であろう。
ただ、魔族が魔術を使える…なんて、ほんの僅かな情報でしか無い。人類は昔から、魔族との関わりが非常に少ないため、魔族について書かれた本は全く無い。そのため、魔術を使えるだなんて事しか分からないのだ。どんな言語を使っているのか、どんな文化を嗜んでいるのか、どんな生き方をしているのかも…分からない。知りたくても、知る事が出来ない…。
1人で思いを巡らせていると、いつだろうか大木先生は口を開いた。
「今まで皆さんは、魔族についてテレビで見た情報しか知らないでしょう。ですが、中学生になった貴方達には『魔族』と言うものについて知る義務があります。それでは特別教材を配りますからその3ページを開いて_______」
教室がごちゃごちゃする中で、私はシャーペンを強く握った。