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コメディ・ライト小説(新)
- Re: ✭星屑の華永✭ ( No.3 )
- 日時: 2020/10/22 19:02
- 名前: 夜明 (ID: hZy3zJjJ)
#2 「隠されし者」
「まず…魔族と言うのは、言うまでもなく魔術を操る存在。火や水…雷など、幾つもの魔術を扱えるんだとか。」
大木先生は黒板に大きく『魔族』と書き、その下に、彼らの特徴を箇条書きにして書いていった。
黙々とノートを取る生徒達と教卓近くに立つ先生。とても静かな光景であり、見慣れている。
窓からは、5月の風が入り込み、心地よい。
そこから温かい光が差し込んで、黒板の端が光る。…やっぱり今は春なんだな。なんて感じる光景が、私の瞳には写っていた。
そんな春の麗らかさに浸っていると、先生は少し間を開けて口を開いた。
「…さらに魔族は、人類とほぼ同じような生活をしており、文化も言語も…ほぼ同じものであると公表されています。」
教室が静かな驚きに包まれる。
…まさか。
あの魔族が?あの人間に嫌われた存在が人間とほぼ同じだと?…よく分からない。だとしたら、人間達は同じような種族を忌み嫌い、争ったと言う事になるのではないのだろうか。…何だか人間の1人として、情けない気持ちが浮かぶ。
「他にも、魔族は天文学を愛し、星に願いを捧げる伝統深き祭り、祭典なども昔から根付いているようです。人間と似た所もありますが、人間とは全く異なる事も存在しています。」
教室内にはチョークの音が弾き出した。
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